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現実感
「現実感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現実感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
の心は、決して油断がなりませぬ。男女七歳にして、という古い教えが、突然おそろしい
現実感として、私の胸をついて、はっと思いました。日本の倫理というものは、ほとんど....
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
出来るものか。本当の革命は、おれたちがやるんだ。」と言った。 その言葉には妙な
現実感があった。 のちに到り、所謂青年将校と組んで、イヤな、無教養の、不吉な、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
涼しいものにしている。ここだけが抉り取られて、日本の景色を見慣れた私たちの感覚に
現実感を与える。 天井に唸る電気扇の真下に居て、けむるような睫毛を瞳に冠せ、こ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
めの四、五回は少し勝手が違ってまごつくかも知れないが、しかし、手紙の形式はまた、
現実感が濃いので、昔から外国に於いても、日本に於いても多くの作者に依って試みられ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ことは今更説明するまでもないだろう。――で映画の大衆性は、社会人の普遍的な感覚(
現実感・風俗感・エロティシズム其の他)に訴えて、之をいつの間にか道徳・道義感・社....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
の云い方には詭弁が含まれている。なぜというに、では一体、真理の明白感の一つである
現実感はどうして生じるのか、それ一つ説明出来ないではないか。認識は更に一般化して....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
味と結合したエキゾティシズムともいうべき)を伴うものであるらしい。 映画のこの
現実感はスポーツに準じるさっきの単なるリアリティーとは異って、本当のリアリティー....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いをしたことはございません」 なるほど、その時はいやであったろうが、今は、その
現実感を通り過ぎてしまって、いやな思い出を、いやな気分なしで、多少の甘え気分をさ....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
のものではない。実証的精神ではなくて解釈的精神なのだ。文化的形而上学が、実証的な
現実感に薄いことは云うまでもない。之は現実の秩序と天上の可能界の秩序とを混同し、....
「落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
欅の大木は影絵のように浮き出して、引き裂かれた傷口だけがなまなましく、そこだけが
現実感を露呈していました。立川はそれに眼を見捉えて、それに引き寄せられるように歩....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
い、世相に意味をもたせて強調するから煽るだけの話で、道化に仕立てる、悪事の荘厳や
現実感がなくなるから、素人は魅力を失う。 昔、キリシタン退治の頃、信徒をハリツ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
についての切なさであった。 それはまさしく不惑なのである。惑うべからざる切実な
現実感覚なのである。 私は自分の子供でも、やっぱり、ジロリとみる。そして、それ....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
のは、つまり、俳優の演技の中には現実の仮感というものがあるからです。これを略して
現実感ということをいいますが、文学などでいう
現実感――リアリティというものとちょ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
も知れないような現実的な理想に表現の目安をおいているようなところがある。そういう
現実感が大人ッぽいものに感じられる主要な要素であろう。一方が夢のような太陽神を理....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
あまり用いられなくなり、よし儀礼的因襲的に用いられるばあいがあるにしても、それに
現実感が伴わないようになった、ということである。「天皇」という御称号は用いられて....