現実界[語句情報] »
現実界
「現実界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現実界の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
学的模様のうちにおいてである。また幾何学的模様が真の意味の模様である。すなわち、
現実界の具体的表象に規定されないで、自由に形式を創造する自由芸術の意味は、模様と....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
く揺曳《たなびい》た時、宗近君の頑丈《がんじょう》な姿が、すべての想像を払って、
現実界にあらわれた。 いつの間《ま》にどう下女が案内をしたか知らなかった。宗近....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
だね。ゼームスなどに云わせると副意識下の幽冥界《ゆうめいかい》と僕が存在している
現実界が一種の因果法によって互に感応《かんのう》したんだろう。実に不思議な事があ....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ない。詩となると億劫《おっくう》でなお手を下《くだ》さない。ただ斯様《かよう》に
現実界を遠くに見て、杳《はるか》な心にすこしの蟠《わだかま》りのないときだけ、句....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
成り立った者である。即ち単に存在ではなくして意味をもった者である。それでもしこの
現実界から我々の情意を除き去ったならば、もはや具体的の事実ではなく、単に抽象的概....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
ンによれば、人間の生活は認識と行為と希望との三つの段階を持っていると云う。認識は
現実界を、希望は幻想界を対象とする、そして行為は両者の中間にあって現実を幻想に媒....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
の色彩を帯びて其中《そのうち》に浮游していて、腹が減《す》いた、銭が欲しいという
現実界に比べれば、※《はるか》に美しいように見える。浮気な不真面目な私は直ぐ好《....
「科学論」より 著者:戸坂潤
界観の出来上った全体的な統一をば却って一旦破壊した上で、自分にとって必要な限りの
現実界の部分に照応しているだけの世界観の部分を取り出し、之を科学的方法的に仕上げ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
た時代に於てしか通用しない範疇を持って来て、夫を現代に適用すれば、現在の実際的な
現実界の持っている現実はどこかへ行って了って、その代りに古典的に解釈された意味の....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
な永久の真理が行なわれる。強いて云えば之は「明白」な真理にぞくする。之に反して、
現実界(歴史的な現実のこの世界)は、多くの可能の世界から、神が善き意志によって最....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
を得ないということになる。之は殆んど公理のように明らかなことだ。文学の活きている
現実界がここにあるとすれば、文学的真実・文学的真理が、その社会的役割を離れてはな....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
ーズに過ぎなかったことに気がついたと同時にその時夫に代ってインテリを襲ったものは
現実界の現実的な不安なのである。肉体保護上の不安、政治的不自由の不安等々なのだ。....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
にも映ったのだった。 こういうことは誰にでも時として起るものであって、それは超
現実界の思想が吾々の意識にひょいと顔を出したに過ぎない、とブルトンはいう。そして....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
に余の困却したるは舞台と観客席との区域分明ならざる事なりき。演劇の幻想界と観客の
現実界とは両花道《りょうはなみち》、チョボ床《ゆか》、囃子方《はやしかた》、その....