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「現心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

現心の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
に堪へず吹き切られたる焔、飛ぶが如くにして、一二町を越えつつ移り行く、その中の人現心あらんや。或は烟にむせび倒れ伏し、或は焔にまかれて忽ちに死に、或は又僅かに身....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とながら、自分のしたことに目を覚して、その夥《おびただ》しい金銀の落葉に眩惑し、現心《うつつごころ》で、その中の一枚を拾い取って見ると、疑う方なき正徳判の真物《....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
七一)、「高山と海こそは、山ながらかくも現しく」(巻十三・三三三二)、「大丈夫の現心も吾は無し夜昼といはず恋ひしわたれば」(巻十一・二三七六)等が参考となるだろ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
《いとまご》いもなすべかりしになど、様々の思いに耽《ふけ》りて、睡るとにはあらぬ現心《うつつごころ》に、何か騒がしき物音を感じぬ。何気《なにげ》なく閉《と》じた....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
り口から鈴江たちのほうへ、変った足どりで歩いていた。美作は酔漢のそれかのように、現心もないように、依然として抜き身を下げたままで、ヒョロヒョロ、ヒョロヒョロと歩....
活人形」より 著者:泉鏡花
と涙を泛べつつ、「この面影はありますまいよ。死顔でも見たい、もう一度逢いたい。と現心にいいければ、察し遣りて泰助が、彼の心を激まさんと、「気を丈夫に持って養生し....