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理智
「理智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
理智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
成長し得る事を感じている。従って、屡々《しばしば》自分の頂戴《ちょうだい》する新
理智派《しんりちは》と云い、新技巧派と云う名称の如きは、何《いず》れも自分にとっ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
論、彼女の友だちの含芳にも格別気の毒とは思わなかった。けれども含芳の顔を見た時、
理智的には彼女の心もちを可也《かなり》はっきりと了解した。彼女は耳環《みみわ》を....
「葱」より 著者:芥川竜之介
ンタアルになり兼ねないぞ。元来世間の批評家には情味がないと言われている、すこぶる
理智的なおれなのだが。
そのお君さんがある冬の夜、遅くなってカッフェから帰って....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
財況を知りたがる実業家にも同じようにきっと起るのである。わたしはこれを修正すべき
理智の存在を否みはしない。同時に又百般の人事を統《す》べる「偶然」の存在も認める....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ながらU氏一家の模様を覚えているだろう。死んだ細君から結核を伝えられたU氏があの
理智的な性情を有《も》ちながら、天理教を信じて、その御|祈祷《きとう》で病気を癒....
「二つの道」より 著者:有島武郎
》を見知る詩人としての資格を立派に成就した人である。
一三
ハムレットには
理智を通じて二つの道に対する迷いが現われている。未だ人全体すなわちテムペラメント....
「片信」より 著者:有島武郎
内に慎ませておけるものであろうか。……この辺の有島氏の考えかたはあまりに論理的、
理智的であって、それらの考察を自己の情感の底に温めていない憾《うら》みがある。少....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
立していろ。」 甲板士官はこう言った後、気軽にまた甲板を歩きはじめた。K中尉も
理智的には甲板士官に同意見だった。のみならずこの下士の名誉心を感傷的と思う気もち....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。お前は強いて頭を働かして神を想像していたに過ぎないのだ。即ちお前の最も表面的な
理智と感情との作用で、かすかな私の姿を神にまで捏ねあげていたのだ。お前にはお前以....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
いっさいこれを持ち得ないのが凡人としてはむしろあたりまえだともいえる。こざかしい
理智が何といおうと、私の感覚はあまりにも醜い彼らを嫌悪した。そうして伝染の危険を....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
一層反抗的精神の起るのを感じた。それ等の敵と呼ばれるものは少くとも僕には感受性や
理智の異名に外ならなかった。が、伝統的精神もやはり近代的精神のようにやはり僕を不....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
……新しき時代の浪曼主義者は三汀久米正雄である。「涙は
理智の薄明り、感情の灯し火」とうたえる久米、真白草花の涼しげなるにも、よき人の面....
「合理的、同時に多量の人間味」より 著者:芥川竜之介
等学校時代から僕等の仲間では評判である。語学なぞもよく出来るが、それは結局菊池の
理智的な心の持ち方は、こんな些事にも現われているように思う。 それから家庭の菊....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
隅のドコかで文学を遊戯視して男子畢世の業とするに足るか否かを疑っていた。二葉亭の
理智の認める処を正直にいわせれば世界における文学芸術の位置なぞは問題ではないのだ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
、それでいて私の死くなった妻に酷似なのです。笑う時にちょっと口を曲げるところから
理智的に輝いている眼、口尻に小さい黒子のあるところまでほんとによく似ています。 ....