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理髪師
「理髪師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
理髪師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
の夫は僕である。僕もまたこの頃は無職業ではない。とにかく器用を看板とした一かどの
理髪師《りはつし》になり了《おお》せている。
謹厳なる君は僕のように、一妻多夫....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
一 三月の二十五日にペテルブルグで奇妙きてれつな事件がもちあがった。ウォズネセンスキイ通りに住んでいる
理髪師《とこや》のイワン・ヤーコウレヴィッチ(というだけでその苗字は不明で、看板....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
学よりもいっそう詩的な出来事だったであろう。しかし僕は十年ののち、海軍機関学校の
理髪師に頭を刈ってもらいながら、彼もまた日露の戦役に「朝日」の水兵だった関係上、....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
前から目「其前は何所に住だ女「夫まではリセリウ街で理髪店を開いて居ました、老人は
理髪師で身代を作ッたのです目「何れほどの身代が有る女「確には知ませんが老人の甥が....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
こに幾個の盆栽あり、稗蒔あり、そしてまた箱庭なんどの飾らるるを見る。これ必ずしも
理髪師の風流のみではないが、待合わす人の眼を楽しましむるに利して兼ねてかれらの俳....
「偶然の産んだ駄洒落」より 著者:九鬼周造
笑は真面目な陰鬱な日常生活に朗かな影を投げる。ある日、私がパリで散髪をしていると
理髪師が私に向ってデ・ジャポネー(日本人)は騎兵は要らぬそうですねといった。何の....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ける恐ろしい印象を和らげる事ぐらいは出来るであろうという意見で、腕のある画家や、
理髪師や、芸術家らを招いて、徹夜の大急ぎでラザルスの髭を刈って巻くやら、絵具でそ....
「独房」より 著者:小林多喜二
た。面会に来る女があるんだろうからな――」 それで俺の髪だけは助った。然しこの
理髪師はニキビであろうが、何んであろうが、上から下へ一気に剃刀を使って、それをそ....
「秘伝の名訳」より 著者:岸田国士
シエがその代表的な一人であり、そのボーマルシエの空想に浮んだ一英雄、伯爵お抱えの
理髪師フイガロがまた、その典型の一ヴアリエーシヨンに外ならぬ。 この戯曲は、機....
「茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
筈なのである。 フランスにフィガロという都新聞のような新聞がある。「ゼビィラの
理髪師」や「フィガロの結婚」のフィガロから来た名称らしく、なぜ私が笑うかって言う....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
ってくれる者がなかったのは、万事が万事しわんぼうな生まれつきだったので、お抱えの
理髪師を年貢代りにモスクヴァへ奉公に出していたからなのです。そればかりかこの弟ぎ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
。また誰とてこんな瘋癲者の室に参観に来る者も無いから。ただ二ヶ|月に一|度だけ、
理髪師のセミョン、ラザリチばかりここへ来る、その男はいつも酔ってニコニコしながら....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
に於て、全的生涯が完うされるものだということを感じているのであります。 善良な
理髪師の如く、善良な靴匠の如く、私は、また真実な一文筆者として使命を果たしたいと....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
う。殊にもこの真向うの姿見、硝子棚、バリカン、廻転椅子、カバーの白白白、立ち廻る
理髪師の背広の、ズボンの白、掻き立てなすりつけた客の頬や頤の石鹸の白、琥珀の香水....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
立て方の流行にも、思うに幾度かの変遷を見たことであろう。わけてそこに立ち働く若い
理髪師達の異動のはげしさはいわずもがな、そこの主人の細君でさえ、中頃から違った人....