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「琥珀色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

琥珀色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
へ持って来た。それは括《くく》り頤《あご》の、眼の大きい、白粉《おしろい》の下に琥珀色《こはくいろ》の皮膚《ひふ》が透《す》いて見える、健康そうな娘だった。俊助....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
である。白葡萄酒のコップとウイスキイのコップとは、再び無愛想なウェエタアの手で、琥珀色《こはくいろ》の液体がその中に充《みた》された。いや、そればかりではない。....
檸檬」より 著者:梶井基次郎
コロンやオードキニン。洒落《しゃれ》た切子細工や典雅なロココ趣味の浮模様を持った琥珀色や翡翠色《ひすいいろ》の香水壜《こうすいびん》。煙管《きせる》、小刀、石鹸....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けて、宝髻形に結んでいる、裸体の番匠幹枝だった。肋骨の肉が落ち窪み、四肢が透明な琥珀色に痩せ枯れた白痴の佳人は、直径二尺に余る太鼓腹を抱えて、今にもそれが、ぴく....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
調べるほど、なかなか興味ぶかい船だからね」 水戸が酒壜を持ってホーテンスの盃に琥珀色《こはくいろ》の液体を注ぎそえた。 「有難う。まず君達を喜ばせるだろうと思....
俊寛」より 著者:菊池寛
われ、いつもは見ることを厭っていた硫黄ヶ岳に立つ煙さえ、今朝は澄み渡った朝空に、琥珀色に優にやさしくたなびいている。 俊寛は、童のようなのびやかな心になりなが....
赤外線男」より 著者:海野十三
恐ろしいことでも思い出したらしく、大きい溜息をつくと、ビールを口にもっていって、琥珀色の液体をグーッと呑み乾した。筆者は壜をとりあげると、静かに酌いでやった。 ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ように感じさせる。 もろもろの陰は深い瑠璃色に、もろもろの明るみはうっとりした琥珀色の二つに統制されて来ると、道路側の瓦屋根の一角がたちまち灼熱して、紫白の光....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
卓子は、僕の特約の席なんだ。では、お互いの健康を祝して……」 と、ロッセ氏は、琥珀色の液体の入ったグラスを高くさしあげて、唇へ持っていった。 「ふう、これでや....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
これも円形の、玻璃で造られた明り窓で、そこに灯火が置いてあると見え、そこから鈍い琥珀色の光が、部屋を下様に照らしていた。それにしても天井が蒲鉾形に垂れ、それにし....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
光の度に相違などないはずなのであるが、でもいくらかは違っていて、やはりそこだけが琥珀色の、微妙な色を呈していた。 と、その光の圏内へ、棒が一本突き出された。飛....
剣侠」より 著者:国枝史郎
て鏡のように光り、おりから羽目板の隙間から、横射しに射して来た日の光りが、そこへ琥珀色の棒縞を織り、その空間の光の圏内に、ポッと立っている幽かな塵埃は、薄い煙か....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
スフォードの子じゃない」 とさけんだ。 白人ではない。五歳ばかりの、黒い髪に琥珀色の肌。くりくり肥った愛らしい二重※。この、意外な東洋人の子におどろいたキュ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
で、ただところどころに静かな波がおこって、遠くの山の青い影をながくのばしていた。琥珀色の雲が二つ三つ空にうかび、風はそよりともせず、雲は動かなかった。地平線は金....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
。根元の方にも日の光は漏れて、幹は黒々と、葉は淡きバアントシーナを塗ったように、琥珀色に透明して、極めて美しい。画きたい画きたいと、一度は三脚の紐を解いたが、帰....