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瑣細
「瑣細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瑣細の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かのように」より 著者:森鴎外
ル》」と云ったので、始てなる程と悟った事や、それからベルリンに著いた当時の印象を
瑣細《ささい》な事まで書いてあって、子爵夫婦を面白がらせた。子爵は奥さんに三省堂....
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
て、饒舌をすることは絶えて無い。寧沈黙勝だと云っても好い。只興奮しているために、
瑣細な事にも腹を立てる。又何事もないと、わざわざ人を挑んで詞尻を取って、怒の動機....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
秘密は形式によって内容を滅却するにあるとシルレルがいったように、秀れた魂はいかに
瑣細《ささい》に見える事柄にも深い意味を見出すふしぎな力をもっておる。これに反し....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
》遊ばすが、御自分は評判の気むずかし屋で、御意《ぎょい》に叶《かな》わぬとなると
瑣細《ささい》の事にまで眼を剥出《むきだ》して御立腹遊ばす、言わば自由主義の圧制....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
死骸から鏡を奪うことを勧めた男である。 こうして、その出世は眼前にある時、彼は
瑣細のことから激しく立腹して、かの家僕を撲ち殺した。自宅ならば格別、それが幕営の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
何の感興を生ぜぬは、自分の色状と全く違うからで、黒熊皮を見ても妻を想起せぬのだ。
瑣細《ささい》な事のようだが、心理論理の学論より政治外交の宣伝を為《な》すにこの....
「流線間諜」より 著者:海野十三
なかうまくゆかないものであって、運命の神のいたずらとでも云おうか偶然が作った極く
瑣細な出来ごとから、その年の十月、この怪計画に関係のある一部分が始めて我が官憲に....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
たいと思った。私はこの頃、自分は罪を犯したものである、と思うようになった。それは
瑣細な罪であったかも知れないが、小さな胸にはそれだけのことでも大きな負担であった....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
年の正月、木挽町の山村座の木戸前で、水野の白柄組と幡随長兵衛の身内の町奴どもと、
瑣細のことから衝突を来したのが根となって、互いの意趣がいよいよ深くなった。 そ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
さえつけるような呻き声を上げているのだ。真夜中である。淋しい田舎道である。何んな
瑣細なことでも、これは可怪しいと感じた以上看過しない警察官の第六感に従って、レノ....
「頭上の響」より 著者:北村四海
のだ、それにまた奇妙なのは、事件が大きければ大きいほど、響も大きいといった風で、
瑣細な凶事が起る時などは、丸で何か爪の先で爬く様な微かな音がする、他人がもし傍に....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
っても、
どんな丘陵でもあると、避けて滑って通る。
いかに傍若無人に振舞っても、
瑣細の高まりも中流の砥柱になって、
瑣細の窪みも低きに就かせる。
そこで己は心中....
「妻」より 著者:神西清
この二年のあいだに私たちがそろそろ忘れかけていた私たちの『結婚の幸福』が、何かの
瑣細な馬鹿げた原因のためふたたび新たに始まろうとしているということ、そして私にし....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
ことがしばしば見られるのであるが、その出来る原因はなかなか分らない。しかしかなり
瑣細な条件の偏差で出来るものであることは確かである。 (d) 枝の非対称的発達....
「立春の卵」より 著者:中谷宇吉郎
と同じようなことが、いろいろな方面にありそうである。そして人間の歴史が、そういう
瑣細《ささい》な盲点のために著しく左右されるようなこともありそうである。 立春....