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瓣
「瓣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瓣の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「女生徒」より 著者:太宰治
《さんごしょう》がちらと顔を出していて、キャベツの黄色い葉は、牡丹《ぼたん》の花
瓣《かべん》のように、鳥の羽の扇子のようにお皿に敷かれて、緑したたる菠薐草《ほう....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
眺めた。それは梅雨頃から咲きはじめて、一つが朽ちかかる頃には一つが咲き、今も六｜
瓣《べん》の、ひっそりした姿を湛《たた》えているのだった。次兄にその名称を訊《き....
「日輪」より 著者:横光利一
を飾れとわれに命じた。」転りながら叫ぶ使部の上で、白鷺の羽毛が、叩かれた花園の花
瓣のようにひらひらと舞っていた。反絵は拳を振りながら使部の腰を蹴って叫んだ。 「....
「夏の花」より 著者:原民喜
男は、私のほかに見あたらなかった。その花は何という名称なのか知らないが、黄色の小
瓣の可憐《かれん》な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかった。 炎天に曝《さら》さ....
「花園の思想」より 著者:横光利一
一列の眼光が冷たく彼に迫って来た。 彼は妻の病室のドアーを開けた。妻の顔は、花
瓣に纏わりついた空気のように、哀れな朗かさをたたえて静まっていた。 ――恐らく....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
た。この運動を終えて室に帰って見ると、どこからとも知れず吹く風にさそわれて桜の花
瓣がただ一片舞いこんで来ている。赤煉瓦の高い塀を越えて遙か向うにわずかに霞の中に....
「白い花赤い茎」より 著者:田中貢太郎
鎖は切れて鬼婆は下へ落ちて死んだ。其の血は白い雪のような花の茎を赤く染めたが、花
瓣を汚すことはできなかった。其の花は蕎麦の花であった。....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
きな禿頭をした男だったが、その口からは、艇長死体の消失をさらに紛糾させ、百花千｜
瓣の謎と化してしまうような事実が吐かれていった。 「儂は、王立カリンティアン快走....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
いい所があった。 この姉は十二、三の時ロイマチスをやり、それが元で心臓を悪くし
瓣幕閉鎖不全症であった。長生き出来ないことを自分も、親も知っていた。それで父母は....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
内側から血が差して、それが微かにすけて見える。貴重な種のバラの花のクリーム色の花
瓣でも見ているようだ。それに眼だ。どこがどうと説明はできないが、まるで、ちがつて....