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甕
「甕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貉」より 著者:芥川竜之介
それより以前にも、垂仁紀《すいにんき》を見ると、八十七年、丹波《たんば》の国の
甕襲《みかそ》と云う人の犬が、貉を噛《か》み食《ころ》したら、腹の中に八尺瓊曲玉....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にある噴《ふ》き井《い》の前を通りかかると、あの娘が三四人の女たちと一しょに、水
甕《みずがめ》へ水を汲《く》んでいるのに遇《あ》った。噴き井の上には白椿《しろつ....
「運」より 著者:芥川竜之介
がつかえるほど狭い。が、簾の外の往来が、目まぐるしく動くのに引換えて、ここでは、
甕《かめ》でも瓶子《へいし》でも、皆|赭《あか》ちゃけた土器《かわらけ》の肌《は....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
水を使っていた。僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の爺さんが水桶の水を水
甕の中へぶちまける姿を覚えている。そう言えばこの「水屋さん」も夢現の境に現われて....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
が一隅を占領していた。それは古い化学工業の原書にあるようなレトルトだの、耐酸性の
甕だの、奇妙に曲げられた古い硝子管だのが、大小高低を異にした架台にとりつけられて....
「蠅男」より 著者:海野十三
痛快でやしたなア。あの透視術を教えとくんなはれ、勉強になりますさかい」 藍
甕転覆事件 帆村はそれを聞くと面映ゆげにニッと笑い、 「あああれですか。あれは....
「春昼」より 著者:泉鏡花
真紅な土の空洞の中に、づほらとした黒い塊が見えたのを、鍬の先で掻出して見ると――
甕で。 蓋が打欠けていたそうでございますが、其処からもどろどろと、その丹色に底....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
横に突き刺して附近に出没し、そのたびに、青竜刀がなくなったり、取っておきの老酒の
甕が姿を消したり、泣き面に蜂の苦難つづきであったが、しかもなお彼は抗日精神に燃え....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
次の第二号を見ると、こんなことが書いてあった。すなわち、 二、ソノ色、黒褐色ノ水
甕ニシテ、底ヲ逆ニスルト、赤キ「ペンキ」デ4084ノ数字ガ記サレタルモノ。 さ....
「薬」より 著者:井上紅梅
一 亮るい月は日の出前に落ちて、寝静まった街の上に藍
甕のような空が残った。 華老栓はひょっくり起き上ってマッチを擦り、油じんだ燈盞....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
り、漆濃く絡みつく奴が少くない。彼等は人の手許をじろりと見たがる癖がある。老酒を
甕の中から汲み出すのを見て、徳利の底に水が残っていやしないか否かを見て、徳利を熱....
「白光」より 著者:井上紅梅
は、とにかく重々しく、隠しおおせる響ではない。 坑の深さが二尺余りに達したが、
甕の口が出て来ない。陳士成はいらいらして力任せに掘り下げると、コツンと一つひび破....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
忘れたように転っていました」 水呑場――とは云っても、自然に湧き出す地下水を水
甕に受けているに過ぎなかった。それはこの片盤では、突当りの坑道にあった。そこは片....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
はまだ相当に碩学《せきがく》がおったのである。安井息軒、元田東野、重野成斎、川田
甕江、大槻磐渓、鷲津毅堂、岡松
甕谷、阪谷朗廬、根本通明、竹添井々、島田篁邨、三島....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
碑面に「来竜聚宝接引財神」と刻し、あるいは「門戸土地福神」と題し、その左右に「銀
甕排山入、金船駕海来」(銀のかめは山をおしひらいて入り、金の船は海を渡って来たる....