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甘やかす
「甘やかす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘やかすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
えて確固《しっかり》した気象の女でしたが、僕を叱《しか》ったこともなく、さりとて
甘やかす程に可愛《かわい》がりもせず、言わば寄らず触らずにして居たようです。 ....
「慈悲」より 著者:岡本かの子
かもしれません。その方が本当の慈悲です。 人の云うことを聞けば宜いと云って人を
甘やかすばかりが慈悲ではありません。お砂糖ばかりで煮たお料理は却ってまずい。ひと....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
起ったというのは、まだ聞いたことがない。」と船長はリヴジー先生に言った。「水夫を
甘やかすのは、彼等を悪魔にする。私はそう信じています。」 しかし、これからわか....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
からには、どんなに脅迫観念に苦しめられていたか、久須美だけはそれを察して、専務が
甘やかすから、などと口うるさくても、彼は私に一言の非難もいわず、常にむしろいたわ....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
って、効果の上るはずはない。 しかしただ教育的で厳しいだけで、ちっとも子どもを
甘やかすというところのない母親は美しいものではない。そこには人情の機微がなければ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
青木さんは、まだ、なにか、甘えてるんじゃないでしょうか。梶さんは、甘えることも、
甘やかすことも、できない人です。最も弱い動物は他の動物を信じることができません。....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
てやりました。 「誰の罪でもありませんよ。人間はこんなものかも知れませんな。変に
甘やかすより、こうしてキマリがついたあとで、いくらかでも利口にと世話をやく方がハ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
は、新劇の社会にさえ、既に、既成の演劇界と類似の風潮を生み、はっきり言えば、常に
甘やかす周囲とのみうまく調子を合せることに慣れ、ちょっと気が利いたようにみえなが....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
にしよう」
で、馨しい匂いが、香料のように匂って来たのであった。と、飼い犬でも
甘やかすような命令的ではあるけれども、優しい声が駕籠の中から聞こえた。
「おいで....
「決闘」より 著者:神西清
んだ」とサモイレンコはとうとう癇癪を起こして、「打てとでもいうのか。」 「悪徳を
甘やかすなと言うのさ。われわれはいつも蔭で悪徳を非難している。だがこれは、腹の中....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ながら悦に入ったもんだ。 二葉亭の猫におけるや、丁度若い母親が初めて産んだ子を
甘やかすように、始終｜懐ろに入れたり肩へ載せたり、夜は抱いて寝て、チョッカイでも....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
美しく、三味線をひいて街を流して歩く女なども多く、昨夜も海岸を散歩してみましたら
甘やかすような春の月のおぼろな光のなかを男と女と戯れながら歩いてるのを幾組も見受....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
奥様の膝から殿様の膝へ飛び附いている。
それからまた逆に殿様から奥様へ飛び附く。
甘やかす、ふざけさせる、たわいなく
可哀がって揶揄う、笑談に声を立てる、喜んで叫....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
大きい尼寺の長老になっている尼君が大勢あって、それがこの活溌な美少年を、やたらに
甘やかすのである。 二三年勤める積で、陸軍には出た。大尉になり次第｜罷めるはず....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かもしれません。その方が本当の慈悲です。 人のいうことを聴けば宜いといって人を
甘やかすばかりが慈悲ではありません。お砂糖ばかりで煮たお料理は却ってまずい。一つ....