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甘心
「甘心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘心の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
練子寧なり、而して方は即ち方正学なり。燕王にして功の成るや、もとより此四人を得て
甘心せんとす。道衍は王の心腹なり、初よりこれを知らざるにあらず。然るに燕王の北平....
「私娼の撲滅について」より 著者:与謝野晶子
り、そうして克己的の節制を加えるだけの理性と意志の微弱である限り、一婦との接触に
甘心しておられないような性欲の過剰がある。また体質の如何にかかわらず他の新しい婦....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
最後のみやげが、あの長押《なげし》に貼った二枚の番附だけの獲物《えもの》で充分に
甘心して出て来たものと思われる。
そこで、多分、このほかには被害は無いでしょう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
猛獣性とが入り乱れて、相手の一人をあくまで追究して、その骨をまでしゃぶらなければ
甘心《かんしん》ができないという執念に燃え出している。
ところが、鼓楼の背後で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
心を持ち得る場合にも、白雲に対しては一も二もない、むしろ求めざるに迎合して、その
甘心を得て置きたい風情《ふぜい》がある。 「マドロス君、君は、今、甲板へ出たかね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とへなり先へなり廻って、後見の気取りで逐一、その剣、太刀の音の使いわけでも聞いて
甘心するつもりかと思えば、そうでもない。 この男の腕立てとして、もうそういう油....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
《しひ》して淫楽《いんらく》に耽《ふけ》り、公道正義を無視《なみ》して、一遊妓の
甘心《かんしん》を買う、何たる烏滸《おこ》の白徒《しれもの》ぞ。宜《むべ》なる哉....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
でもあった。 秀吉との不和は秀次にとっては、何よりも恐ろしいものであった。で、
甘心を買おうとした。それを中にいて斡旋したのが他ならぬ老女の幸蔵主であった。 ....