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甘栗
「甘栗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘栗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一本の花」より 著者:宮本百合子
る交叉点で先の車台がつかえ、朝子の電車も久しい間立往生した。窓から外を眺めたら、
甘栗屋があり、丁度その店頭の燈火で、市営自動車停留場の標識が見えた。黒い詰襟服の....
「姥捨」より 著者:太宰治
水上、と聞いて、かず枝のからだは急に生き生きして来た。 「あ、そんなら、あたし、
甘栗を買って行かなくちゃ。おばさんがね、たべたいたべたい言ってたの。」その宿の老....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
が、がらがら音がするので、きまりが悪くなって立ち止まったりした。 だが、大きな
甘栗屋の曲り角まで来ると、連れの女の方がひたと歩みを止めてしまった。勘三は、暗い....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
鼓の音が続いたり絶えたりする。風が少し出てきたらしい。 お留さんが帰ってきて、
甘栗の袋をあけながら言う。 「なんだか、降りそうですよ。」 「どうだったの。」と....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
。何が、フレキシビリティの極致だ! 私は、まっすぐに走りだした。歯医者。小鳥屋。
甘栗屋。ベエカリイ。花屋。街路樹。古本屋。洋館。走りながら私は自分が何やらぶつぶ....
「人造物語」より 著者:海野十三
ろいろと手足を動かし、首をふり、口を開き、眼玉をうごかすものである。我が国でも、
甘栗太郎の店頭にはノンキナトウサンの人造人間が、このような所作をして
甘栗の宣伝を....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
普及しているもの、必ずしも美味ではないのである。街々には、まだ東京には復活しない
甘栗があった。食べてみると、昔と同じのはあの焼いている匂いだけ。
甘栗ではなくて、....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
の俗名は Chinese Chestnut であって、あの町で売っているいわゆる
甘栗がすなわちそれである。この栗は少しは今日本に植えられているようだが、しかしま....