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「甘藍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甘藍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
功徳《くどく》に農夫らのいい合った昆虫《こんちゅう》も、すさまじい勢で発生した。甘藍《キャベツ》のまわりにはえぞしろちょうが夥《おびただ》しく飛び廻った。大豆《....
セロ弾きのゴーシュ」より 著者:宮沢賢治
たった一人ですんでいて午前は小屋のまわりの小さな畑でトマトの枝《えだ》をきったり甘藍《キャベジ》の虫をひろったりしてひるすぎになるといつも出て行っていたのです。....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
けているのもある。 顧れば峡間から東方の霞沢岳連峰の木山には、どす玄い雨雲が、甘藍の大葉を巻いたように冠ぶさって、その尖端が常念一帯の脈まで、包んで来ている、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
孟宗藪にしたり、養蚕の割が好いと云って桑畑が殖えたり、大麦小麦より直接東京向きの甘藍白菜や園芸物に力を入れる様になったり、要するに曩時の純農村は追々都会附属の菜....
グスコーブドリの伝記」より 著者:宮沢賢治
ていましたが、やはり非常な元気で、こんどは毛の長いうさぎを千匹以上飼ったり、赤い甘藍《かんらん》ばかり畑に作ったり、相変わらずの山師はやっていましたが、暮らしは....
小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
煙の頭が出現するだろうと思ってしばらく注意して見守っていると、まもなく特徴ある花甘藍形の噴煙の円頂が山をおおう雲帽の上にもくもくと沸き上がって、それが見る見る威....
茨海小学校」より 著者:宮沢賢治
こぼれて砂の入った麦や粟《あわ》や、いらない菜っ葉や何か、たくさんあるんだ。又|甘藍《キャベジ》や何かには、青むしもたかる。それをみんな鶏に食べさせる。鶏は大悦....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
く労苦と厄難と人害とは此れ創業の取るべきを感悟して最も満足せり。 此際には豆類|甘藍等に兎と鼠と日中にても群を為して来り食するや実に驚くのみ。依て百方其害を防ぐ....
まじょりか皿」より 著者:寺田寅彦
るあてもないが一枚を五十銭で買った。水菓子屋の目さめるような店先で立止って足許の甘藍を摘んでみたりしていたが、とうとう蜜柑を四つばかり買って外套の隠しを膨らませ....
或る農学生の日誌」より 著者:宮沢賢治
十《ごんじゅう》がこっちをとめてじぶんの方へ向《む》けていた。ぼくはまるで権十が甘藍《かんらん》の夜盗虫《よとうむし》みたいな気がした。顔がむくむく膨《ふく》れ....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
。それから五月中旬までに、蒔いたり植えたりしたものに、時なし大根、美濃わせ大根、甘藍、里芋、夏葱、春蒔白菜、春菊、胡瓜、唐茄子、西瓜、亀戸大根、山東菜、十二種類....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
物名実図考』) シナシロユリ一名白雪ユリ(Lillium sp.) キャベツと甘藍 キャベツ、すなわちタマナを甘藍《カンラン》だというのは無学な行為で、科学....
イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
ギリス海岸へ行きました。瀬川《せがわ》の鉄橋《てっきょう》を渡り牛蒡《ごぼう》や甘藍《かんらん》が青白い葉《は》の裏《うら》をひるがえす畑《はたけ》の間の細い道....
」より 著者:神西清
に私たちは果実酒を飲んでいた)、鳩の肉汁が、臓物が、焙った仔豚が出、鴨、鷓鴣、花甘藍、クリーム入りのまんじゅう、ミルクをかけた凝乳、ジェリー、そして最後にジャム....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ばみかけた柔かな色の燕麦があった。またライ麦の層があった。トマトの葉の濃みどり、甘藍のさ緑、白い隠元豆の花、唐黍のあかい毛、―― また、飛び飛びの伐り株、測量....