甚六[語句情報] »
甚六
「甚六〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甚六の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
太夫の兄である。遺伝学から云うと兄より弟の方がいい男が多いそうだが、その代り兄は
甚六で多少ゆったりしているから矢張り数馬もいい男であったにちがいない。緋羽二重《....
「一緒に歩く亡霊」より 著者:田中貢太郎
「老媼茶話」には奇怪な話が数多載っている。この話もその一つであるが、奥州の其処に
甚六と云う百姓があった。著者はその人となりを放逸邪見類なき者也と云っている。兎に....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
学へ入るか入らぬかの齢《とし》だが、沸《たぎ》り立っている世の中の児童だ、三太郎
甚六等の御機嫌取りの少年雑誌や、アメリカの牛飼馬飼めらの下らない喧嘩《けんか》の....
「不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
、俺が盗んで往ったと云えばいい」 住職は小さな唸るような声をだした。 「おい、
甚六、これを持って往け」と、監物は背後の方を揮り返った。 「はい」 頬髯の生え....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
チャカポコ チャカポコ チャカポコ チャカポコ チャカポコ 水戸の
甚六《じんろく》、困ったものだよ 副将軍と言われるお人が 一国さて置き 半国ばか....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
なり大きくなったって、何だかぼんやりしてたわ。」 正《まさ》にその通り、総領の
甚六と、利発な妹とであったのだ。 その
甚六が俳句をつくる真似《まね》をする――....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
それもまた、親の情であったかもしれない。あたしは、アンポンタンと呼ばれ、総領の
甚六とよばれ、妹の色の白さに対して烏とよばれ、腺病質ででもあったのか、左の胸がシ....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
こった。第一番組の取組が、はじまるのだ。東の口から曳きだされてきたのが、塩谷村の
甚六牛である。茶色で、肩の肉瘤隆々として盛り上がり、目方は二百貫近くもあろうか。....
「三国志」より 著者:吉川英治
曹丕でしかなかった。曹丕は親の目から見ても、篤厚にして恭謙、多少、俗にいう総領の
甚六的なところもあるが、まず輔弼の任に良臣さえ得れば、曹家の将来は隆々たるものが....