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「甚深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甚深の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
するのに対して、「法」を現わさんとしているのです。しかもその法は、妙法といわれる甚深微妙なる宇宙の真理で、その真理の法はけがれた私たち人間の心のうちに埋もれてお....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の中にその矛盾背理の理論をごまかし去るの技倆を持たない。しかし彼は、いかなる難解甚深の議論といえども、きわめて平易なる文章と通俗なる説明とを用いて、わずかに十数....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
堯の『念仏奇特条々』等、念仏に関した書で彼が眼をさらした数も少なくはなかったが、甚深の感化を受けたのは、そのころ高徳の聖《ひじり》として朝野に深く渇仰された西教....
霊感」より 著者:豊島与志雄
に北辰妙見と木花開耶姫とが祭ってあります。 静かに読経が始まりました。 無上甚深微妙法 百千萬劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来第一義 それから声が高く....
学生と読書」より 著者:倉田百三
いのは、かような人間教育の書にふれる機会を失うからである。仏教の開教偈に、 微妙甚深無上の法は、百千万劫にも遇ひ難し。我れ今見聞して受持するを得たり。願はくは如....
空家」より 著者:宮崎湖処子
を投げてよりすがる阿園が頬《ほお》より落つる熱き涙は、ハラハラと夫の小手に当って甚深無量の名残りを語れり、 昨日まで石のごとく堅固なりし勇蔵が一念、今はいかば....
安死術」より 著者:小酒井不木
ように問題になるくらいですから、いわんや人間の苦痛に就て、ことに医師たるものが、甚深の注意を払わねばならぬのは、当然のことであります。元来、医術は病苦即ち病気の....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
も、議論としては感服するが小説その物を重く見る気にはなれなかった。 私が初めて甚深の感動を与えられ、小説に対して敬虔な信念を持つようになったのはドストエフスキ....
偶像崇拝の心理」より 著者:和辻哲郎
矮屋とを見慣れた我々の祖先が、かつて夢みたこともない壮大な伽藍の前に立った時の、甚深な驚異の情を想像する。 伽藍はただ単に大きいというだけではない。久遠の焔の....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
要である。この方法こそ五|濁の悪世において、その場で成仏|解脱を遂げ得るところの甚深微尠の方法であると教えたのであります。 肉慾を満たすのが必要であると....
志士と経済」より 著者:服部之総
白書の草稿は、国臣の伝記者春山氏によって白石家文書のなかから発見されたものだが、甚深な興味がある。 まず、水戸家志士が井伊を討った上ただちに横浜の焼討をすると....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
主、 鴉つついて 啼かないか。 ここはお国の 北のはて、 赤い夕日も もう寒い。甚深|微妙の音もなき響の響が其処にはあった。内に黒く剛い、しかし外に灰銀の柔かな....