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生い立ち
「生い立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生い立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
ちは父の目を掠《かす》めてそれを味わわなければならなかったのを記憶する。
父の
生い立ちは非常に不幸であった。父の父、すなわち私たちの祖父に当たる人は、薩摩の中....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
二坪に足らぬ市中の日蔭の庭に、よくもこう
生い立ちしな、一本の青楓、塀の内に年経たり。さるも老木の春寒しとや、枝も幹もただ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
が知れている。 「しまった」と彼は呟いてみた。 彼は久振りで、自分の嫌な過去の
生い立ちを点検してみた。 京都の由緒ある大きな寺のひとり子に生れ幼くして父を失....
「富士」より 著者:岡本かの子
みが使う資格のある聖なる祭の火であった。一点の人情をつけて恋々西国より東国へ娘の
生い立ちにを見に下った螺の如き腹にえび蔓のような背をした老翁は、たとえ自然には冥....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
してその姿を見ることは出来ない。彼はダンディには朋輩を持たず、たれ一人としてその
生い立ちを知っている者もない。船長として彼の地位は、まったく海員としての彼の手腕....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
れますか?……お若い方。なよたけのかぐやの世語りを聞いて下されますか? 儂の娘の
生い立ちを聞いて下されますか? 文麻呂 聞きます、お爺さん。なよたけの話なら、僕....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
事だ。いずれもが教養の高さと修錬の深さとを示している。真美の芸術はそういう境地に
生い立ち呼吸するものだよ。そこでだね。芸術における思想の開顕ということは単なる伝....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
生い立ち わたしは捨て子だった。 でも八つの年まではほかの子どもと同じように....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
る書物と云えば、「緑林黒白」一冊しかない。 で作者はその書に憑據し、この大盗の
生い立ちを左に一通り述べることにしよう。 4 「兄弟もなければ親もない。……俺は....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
進んで嫁いで来たお信乃であるから、彼への貞節は云う迄も無い。子供の松太郎も美しく
生い立ち、前途の憂などは更に無かった。 しかし此儘彼の生活が平穏無事に過ぎ行く....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。けれどそれは正夫さんには意識的でなくてシャインバールなものと存じます。私は私の
生い立ちと「青と白」の少年の
生い立ちとも比較して考えてみました。そして私などは世....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
してそこに行き見るに、塚は小高き丘をなして、丘の上には翠の葉かげ濃やかに竹美しく
生い立ちたり。塚のやや円形に空虚にして畳二ひら三ひらを敷くべく、すべて平めなる石....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
しかし、どうして三人が一しょになって仕事をする様になったか、また、三人がどういう
生い立ちの者であるかというようなことは、この物語とは関係のないことですから、申し....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、九州から江戸の間を股にかけて七年間というもの日本中を騒がしたのである。 彼の
生い立ちは日本側には不明であるが、パジェスによれば、ウオマリ(該当する日本の地名....
「犯人」より 著者:坂口安吾
の六年の受持であったから、仁吉に教えたわけだ。彼は花井に会って、仁吉という少年の
生い立ちや性質を訊きたいと思った。世間が取沙汰しているのは、仁吉の表面的なものに....