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生き物
「生き物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生き物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
たまま、とうとう後《うしろ》を振り返った。しかし明《あかる》い座敷の中には、何も
生き物のけはいはなかった。やっぱり眼のせいだったかしら、――そう思いながら、鏡へ....
「或る女」より 著者:有島武郎
海鳥が、時々思い出したようにさびしい声でなきながら、船の周囲を群れ飛ぶほかには、
生き物の影とては見る事もできないようになっていた。重い冷たい潮霧《ガス》が野火《....
「或る女」より 著者:有島武郎
き》をしていた。頭が激しい動悸《どうき》のたびごとに震えるので、髪の毛は小刻みに
生き物のようにおののいた。そして岡の手から自分の手を離して、袂《たもと》から取り....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
く三、四寸がた開いてしまっていた。と思う間もなく牛乳のガラス瓶があとからあとから
生き物のように隙《すきま》を眼がけてころげ出しはじめた。それが地面に響きを立てて....
「生きている腸」より 著者:海野十三
ている。 「おかしなものだ。しかし、こいつはこうして見ていると、人間よりも高等な
生き物のような気がする」 と医学生吹矢は、ふと論理学を超越した卓抜なる所見を洩....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の緊張したそこには、いつでも音楽が生まれるものと見える。 船はもう一個の敏活な
生き物だ。船べりからは百足虫のように艪の足を出し、艫からは鯨のように舵の尾を出し....
「海底大陸」より 著者:海野十三
いるんだ。におうのはそれなんだ。わかった。おい、気をつけていろ。なんだかみょうな
生き物が、そこらをうろうろしているらしいぞ」 マルラはそれを聞くと、歯の根も合....
「海底都市」より 著者:海野十三
さ二メートルあまりの小山みたいなものが出現したのである。そしてよく見ると、それは
生き物のようにしきりに動いていた。 「な、なんだ。おどかすなよ、海もぐらの親方さ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
あったろうか。とにかくそれは、手ざわりだけでは、苔がはえた土管のような気がした。
生き物のようではなかった。
まったく妙な手ざわりである。苔がはえた土管のように....
「怪塔王」より 著者:海野十三
うな二つの木箱が、そのとき不思議にも砂の上をしずかにはいだしました。まるで木箱が
生き物になったようです。一体これはどうしたというのでありましょうか。 ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
う。どうも沢庵石を引張りあげたにしては、いやに反動がありすぎた。なんだか沢庵石が
生き物に化けて綱の端でピンピン跳ねまわっているようであった。 ミチミが杜の方に....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
書記はそのしずくといっしょにたかく投げあげられたなん万という目にみえないちいさい
生き物のことをおもいました。それは、からだの大きさの割合からすると、ちょうどわた....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
と一つ、殻が裂け、それから続いて、他のも割れてきて、めいめいの卵から、一|羽ずつ
生き物が出て来ました。そして小さな頭をあげて、 「ピーピー。」 と、鳴くのでした....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
うごめいている様を見よ。見知らぬ? ああ、これが問題となる言葉なのだ。われわれは
生き物に番号を附ける。その結果として、殺すことが犯罪になるのだ。
生き物が生れ出る....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
のように、 「ゆうれいだわ、きっとそうだ。そうでなければ、いすやズボンが、まるで
生き物のようにとび歩くはずがないわ。ホール、すぐに玄関のかぎをかけてちょうだい。....