生き甲斐[語句情報] » 生き甲斐

「生き甲斐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生き甲斐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
や》しさと、私の体を汚された恨めしさと、その二つのために死のうとする。ああ、私は生き甲斐《がい》がなかったばかりではない。死に甲斐さえもなかったのだ。 しかし....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
イでもツモってみせるという闘志と勝負運の強さだった。 そして、そんな瞬間だけ、生き甲斐を感ずるのだった。 二十三歳という若さでありながら、何ごとにも熱中する....
放浪」より 著者:織田作之助
だけやと呟き呟きして玉江橋まで歩いて行った。橋の上から川の流れを見ていると、何の生き甲斐もない情けない気持がした、ふと懐ろの金を想い出し、そうや、まだ使える金が....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
廻っているのを無上の楽しみとしていた。彼は自分の野性を縦横無尽に発揮して、それを生き甲斐のある仕事と思っていた。 それが去年の春からがらりと変った。自分でも不....
出世」より 著者:菊池寛
た喧嘩をしたために、あの男に対する同情を、少しも無くしはしなかった。ああした暗い生き甲斐のない生活をあわれむ心は、少しも変っていなかった。 彼がどんなに窮迫し....
世相」より 著者:織田作之助
の間魂が抜けたように毎夜通い、夜通し子供のように女のいいつけに応じている時だけが生き甲斐であったが、ある夜アパートに行くと、いつの間にどこへ引き越したのか、女は....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
。酒ものみたいんだ。それをあの閣下野郎がすわせない飲ませないんだ、これじゃ何処に生き甲斐があるというんだ」 「オイ頼むから、あまり大きな声を出さんでくれ。誰かに....
転機」より 著者:伊藤野枝
もって働き、乞食の名誉をもって死ぬかもしれない」仕事に従事する人達の真に高価な「生き甲斐」というようなものが本当に解るような気がした。 それでも、私はまだでき....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
を考えたのです。事実私はその考えの中で、Oによって私の生活が、ある力を与えられ、生き甲斐のあるものになるであろうという事によく気がついたのです。今まではばらばら....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
主取りせい」 主人は形見として幾らかの金をやったが、権次は辞退した。自分はもう生き甲斐のない不具である。今まで青山の奴と世間に謳われた身が、今更他家の飼犬にも....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
の使者だ! 俺はなよたけがこの世に生きていると云うことを思うだけで、この上もない生き甲斐を感ずるんだ。……清原と云う奴は実にしあわせな奴だよ。なよたけはあんな奴....
私の文学」より 著者:織田作之助
りたい。私の文学――このような文章は、私にはまだ書けないという点に、私は今むしろ生き甲斐を感じている。といってわるければ希望を感じている。それが唯一の希望だ。文....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
だが政治には全く興味を持た無い。それよりも彼の家門の名望をできるだけ享楽する事に生き甲斐を感じて居る。英国や、欧洲大陸や、亜米利加では、まだスコットランドの領主....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のは、あなたさまの美であります。そしてあなたさまの寵遇の深まることのほかに、私の生き甲斐はございません。この事実に思いいたるとき、あなたさまに一日も離れて暮らす....
放浪」より 著者:織田作之助
だけやと呟き呟きして玉江橋まで歩いて行った。橋の上から川の流れを見ていると、何の生き甲斐もない情けない気持がした。ふと懐ろの金を想い出し、そうや、未だ使える金が....