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「生れ出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生れ出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
能うべくんば過去という基調によって導こうとする。凡ての美しい夢は、経験の結果から生れ出る。経験そのものからではない。そういう見方によって生きる人はセンティメンタ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
じが無いでもなかった。自分の愛人を自分の手で創造する……それはまたこの世に美しく生れ出る新らしい星だ……この事は世界の誰も知らないのだ。彼は寂しい狭い感慨に耽っ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
れていようが、それだからと云って軍務を放棄してはいけない。俺等は、俺等が、本当に生れ出る日のために、市街戦を習っておくのだ。装甲自動車の操り方を習っておくのだ。....
愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
っておりますが、あなたに情縁が重うございますから、一度あなたにお眼にかかるまで、生れ出る月を延ばしております、が、もうお眼にかかりましたから、明日は往って生れま....
善蔵を思う」より 著者:太宰治
は、いけません。わたくしは、やがて死ぬる身体です。けれども、明日の朝、東の空から生れ出る太陽を、必ずあなたの友にしてやって下さい。あれは私の、手塩にかけた子供で....
蜂が団子をこしらえる話」より 著者:寺田寅彦
、柔らかい若芽の茎の中に卵を産みつけると、やがて茎の横腹が竪にはじけ破れて幼虫が生れ出る。これが若葉の縁に鈴成りに黒い頭を並べて、驚くべき食慾をもって瞬く間にあ....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
の火であるというようなことや、印度の火神アグニーは、枯木の材中に生命を得て来て、生れ出るや否や、自分の親である木材を食い尽そうとする、などというような、神話の起....
砂漠の情熱」より 著者:豊島与志雄
ンテリな人々ではなく、何等かの政治的色彩に染められた人々ではなく、大地から豊饒に生れ出るといわれる一般民衆のことである。数々の戦乱の苦難や被征服の苦渋を嘗めつく....
北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
貨幣が塗りこめられ、人の子が次々に生れてゆく。 村落のこのイメージは、大地から生れ出る無尽の大衆というものにまで発展する。それは塵埃をかぶって地面の中にもぐっ....
文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
であるとすれば、今や、吾々は散文芸術に於てそれと別れることを惜しまない。それより生れ出るものは何であるか。嫡子としては恐らく私小説的性質の作品であろう。 私小....
雪の宿り」より 著者:神西清
ろうが、ひょっとするとこの世で一番長もちのするものが、あの男の乱行|沙汰の中から生れ出るかも知れん。…… 「そこで近頃はやりの下尅上はどうだ。これこそ腐れた政治....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
の音が爽やかに近づいて、築山の桃葉珊瑚の蔭から青年は姿を現わした。 闇の中から生れ出る青年の姿は、美しかった。薩摩絣の着物に対の羽織を着て、襦袢の襟が芝居の子....
狂人日記」より 著者:秋田滋
れわれは生き物に番号を附ける。その結果として、殺すことが犯罪になるのだ。生き物が生れ出ると、われわれはそれを登記し、名をつけ、洗礼をうけさせる。法律が彼等を引き....
革命の研究」より 著者:大杉栄
いった政府以外のものを夢みてはいなかったのだ。 みなこの独裁時代の後に革命から生れ出る「建物の冠」として、代議政治を夢みている。みな独裁者の造った法律に対する....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
でさがしつつ、儕輩を押し仆して官位の競望に憂き身をやつした中流公家の心労からは、生れ出ることのない大慈悲心である。その証拠にはこうした歌は西行にも俊成にも定家に....