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生体
「生体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
。
「この間《あいだ》Kが見舞いに来たってね。」
「ああ、日帰りでやって来たよ。
生体解剖《せいたいかいぼう》の話や何かして行ったっけ。」
「不愉快なやつだね。」....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
忙がしい、今日で三日三晩うッとりともしないので、只眠いねむいで茫然《ぼっと》して
生体《しょうたい》がない。お客のお座敷へ出ても碌々口もきかないが、さてこれと名ざ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
り割っている。それは、血清だけが滲み出ているのを見ても、明白な事実なんだが、通例
生体にされた場合だと、皮下に溢血が起って創の両側が腫起してこなければならない――....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
子好く揺れて行く。それがまた寝せ付られるようで快い。今眼が覚めたかと思うと、また
生体を失う。繃帯をしてから傷の痛も止んで、何とも云えぬ愉快に節々も緩むよう。 「....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
くよく眠かったと見え、この騒ぎの中にもグッスリ寝込んでいる、白花の石楠花が、この
生体のない人の頬に匂っている。 耳を澄まして、谷間に吹き荒ぶ風の声を聞くと、そ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
がら中仕切の障子を明けると、真暗で、 伴「旦那え/\、よく寝ていらッしゃる、まだ
生体なく能く寝ていらッしゃるから大丈夫だ」 みね「そうかえ、旦那、夜が明けました....
「超人間X号」より 著者:海野十三
であった。彼は、もう自分で考えることもしゃべることもできず、一個の機械とかわらぬ
生体《せいたい》となってしまったのである。 「よしよし、それでその方はよし。こん....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
左右に振って見せ、 「前にもいいましたが、ラジウムやウラニウムは、放射線をだして
生体をかえていく。これも一種の生活がいとなまれているといえないことはないです。わ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
何ともありません、流されたのも長い間で、実に私はどうも何とも彼ともいい様のない、
生体も何もございません、残らず食ったものは吐いたから最う腹の中は空っぽうでひょろ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
―とそう云う疑念を、鋭敏な膜の様に一枚残しただけで、胎龍の精神作用を司どる瀕死の
生体組織共が、一斉に作業を停止してしまったのだ。そうして、此の状態は、低い絶え絶....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しく、彼女の全身に、まるで眩暈を感じた時のそれのような動揺が起って行った。「何故
生体に刀を入れる必要があるのです。庵主が大吉義神呪経の吸血伝説を信じているように....
「安死術」より 著者:小酒井不木
の研究に用いられる実験動物が無暗に苦痛を受けるのは見るに忍びないというので、所謂
生体解剖反対運動が盛んに行われているぐらいでありまして、ことに英国では、事情の許....
「妖怪学」より 著者:井上円了
、憂苦|鬱悶して疾病を生ずるがごときは、いわゆる心部より生ずる病なり。しかして、
生体機関の上に損害を見るに至るは、いわゆる心部の結果を身部の上にきたすものなり。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
椴松の、丸太の、美女の胴体の、今のこの無慙である。 型態すでになし。椴松の
生体はここに一切木っ羽微塵となってしまった。 何とまた驚くべき強力の、暗室内の....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に包んで置いたが、翌日劒沢の岩屋に着いた時ふと気が付いて開けて見ると、干からびて
生体も無かったので、残念ながら棄てて了った。 突然行手が開けて正面に赤谷山が姿....