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生優しい
「生優しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生優しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
その理由が判明《わか》らんじゃないか。今までに持ち込んで来たお土産の分量だって、
生優しい金高じゃないんだからね。おまけにおりもしないモウ一人の白鷹先生を創作して....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
誰でも新聞紙を拡げて見ればわかるだろう。どんなにケチな新聞社でも編輯長となると、
生優しい脳髄や精力では勤まるものでない。第一面の海外電報、東京電話の早し遅し、捏....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
らも相当教養もあり、日曜学校の教師をしている位だし、夫の為云うまいと決心すれば、
生優しい問い方では口を開く女ではないと見極めをつけた石子は、話題を別の目的の方へ....
「家」より 著者:島崎藤村
気の毒な人だと思っています……ねえ、君、実際気の毒な……と言って、今ここで君等が
生優しい心を出してみ給え、達雄さんの為にも成りませんやね」 「私も、まあそう思っ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
十八九の青年の癖に、古今に名高い禿頭の大詩人、李太白の詩と並ぶ絵を描く奴だから、
生優しい腕前じゃないよ。もっとも運が悪くて夭死にしたために、名前も描いたものも余....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、なぞということは無いが、永禄、元亀、天正の頃は、とても今の者が想像出来るような
生優しい世では無かった。資本主義も社会主義も有りはしない、そんなことは昼寝の夢に....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
様! 彼の勇気は百倍した。そうして彼は決心した。「殺されるか殺すかだ! これは
生優しい敵ではない! 助かろうとて助かりっこはない! 生け捕られたら嬲り殺しだ。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
様さ。忍び返しにも疵をつけず、松の枝にもさわらずに、この高塀を乗り越すというのは
生優しいことじゃあねえ」 どう考えても、これは町家の娘などに出来そうな芸ではな....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
。聞いただけでも清々する。見たかったなあ。彼奴の顔が……」 「月の光で見ると彼の
生優しい顔が、鬼の様、釣り上ったがなあ。おのれ証拠が何処に在ると吐かしおったけに....
「魔都」より 著者:久生十蘭
覚えた手口を応用して、検察の辣腕をふるったというだけのことだが、この場合はそんな
生優しいことではない。殺人犯人としてこれほど飛躍したのも少なく、これほど始末の悪....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
…それだけなら、まだいいのですが、ねだられるとだれにでも金を呉れてやる。それも、
生優しい金でないのです。……この辺では、先生のことを『中央銀行《バンク・サントラ....
「殺人迷路」より 著者:甲賀三郎
た山川牧太郎の指紋は、実は星田さんの指紋です。本当の山川牧太郎は指紋を残すような
生優しい人間ではありません」 「然し――」 「お聞きなさい。星田さんは浦部の家に....
「澪標」より 著者:外村繁
は無意味であろう。しかし無意味だといって、直ぐ中止できる質のものではない。そんな
生優しいものではないのである。しかし最早、妻が妊娠できないとなると、少し淋しい。....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
た。師匠と会社との間はそんなものじゃァない、自分たちの一座と会社との関係はそんな
生優しいものじゃァない、随分、これまで、会社のためになっている師匠なり自分たちの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
百二、三十米を登る間というものは、極度の蔓り方で、矢でも鉄砲でも来いといった位の
生優しいものではない。昨日猫又山から下る途中「明日は楽だな」と喜んだ立派な切明け....