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生地
「生地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
くしゃしていて、ほんとうにわたしどうしたらいいかと思う事がありますの」
意地も
生地《きじ》も内田の強烈な性格のために存分に打ち砕かれた細君は、上品な顔立てに中....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
部分に入れて置けばよいようなものであるが、五年も同じところに入れて置くと、洋服の
生地がボロボロになり、その隙間からラジウムは自然に下に転がり落ちるだろうと考えら....
「蠅」より 著者:海野十三
のです」 二人は病理学研究室を飛び出すと、すぐに自動車を拾った。いわゆる奇病発
生地区の幾何学的中心地が、帆村の手で苦もなく探し出された。 二人が、チンドン屋....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
郎!」 そう叫んだのは同じ妖女の声だったが、咄嗟の場合、作り声ではなく、彼女の
生地の声――珠のように澄んだ若々しい美声だった。――ああ、とうとう探偵の覆面は取....
「食魔」より 著者:岡本かの子
な態度を採上げていた。 およそ和えものの和え方は、女の化粧と同じで、できるだけ
生地の新鮮味を損わないようにしなければならぬ。掻き交ぜ過ぎた和えものはお白粉を塗....
「河明り」より 著者:岡本かの子
地を、転び倒れているものを労り起すように 「まあ、まあ」と云って、取上げてみた。
生地は紋綸子の黒地を、ほとんど黒地を覗かせないまで括り染の雪の輪模様に、竹のむら....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
っているので金属とおなじくらいに固く感ぜられる。その外に、あと二重に樹脂のような
生地の袋がかぶさっていて、ガスが外へもれることをふせぐと共に、外部から砲弾などを....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
多一さん、美津さん、ちょっと、どないな気がおしやす。」 唐織衣に思いもよらぬ、
生地の芸妓で、心易げに、島台を前に、声を掛ける。 素袍の紗に透通る、燈の影に浅....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
くように人々に告げ知らせた。しかしラザルスの行く手には誰も立つ者はなかった。彼の
生地では、この奇蹟的によみがえった彼の増悪すべき名前を呪っていたので、人々は恐ろ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます。 尚お面白いのは、T女の父が、海軍将校であった為めに、はしなくも彼女の出
生地がその守護霊と関係深き三浦半島の一|角、横須賀であったことであります。更に彼....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
の眼に入った。 成程、弁天様より美しい。色は浜風に少しは焼けているが、それでも
生地は白いと見えて、浴衣の合せ目からチラと見える胸元は、磨ける白玉の艶あるに似た....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
答えるのだった。 「ああ、今日初めて自分の体になられた。人間は飾りを取った本当の
生地で話し合うのが一番よいのだ。丹那へ来て安心して話の出来るのは、鸚鵡石殿、貴公....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
をしどけなく結び、小枕なしの大島田を、一筋の後れ毛もなく結い立てています。京女の
生地の白い肌へ夕化粧を念入りに施したのが文字通り水もしたたるような美しさです。円....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
ろと由来を説くという筋になっておるのですが、実際の花の寺も、そんな由来や伝説の発
生地にふさわしい古雅なおちついた境地でして、そのままに謡の中の修行僧が出て来ても....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て落葉を見る。詩賢シェークスピアの遺跡をストラトフォード町に訪う。同所は詩賢の誕
生地にして、その古屋依然として存し、遺物遺墨を陳列し、遠近より来訪するもの日々百....