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生来
「生来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
こう》することの困難であるかを弁《べん》じ出した。弁じ出したばかりではない。彼の
生来《せいらい》の詩的情熱は見る見るまたそれを誇張し出した。日本の戯曲家《ぎきょ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
裾《すそ》をまわって、母の顔がよく見える方へ坐った。
お律は眼をつぶっていた。
生来|薄手《うすで》に出来た顔が一層今日は窶《やつ》れたようだった。が、洋一の差....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
1
天主教徒《てんしゅきょうと》の古暦《ふるごよみ》の一枚、その上に見えるのはこう云う文字である。――
御出
生来《ごしゅっしょうらい》千六百三十四年。せばすちあん記し奉る。
二月。....
「或る女」より 著者:有島武郎
てしまった。そして葉子の心は早熟の恋を追うものだと断定した。そして恋というものを
生来知らぬげな四十五六の醜い容貌《ようぼう》の舎監は、葉子を監禁同様にして置いて....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
った。私たちはよく母がこのまま死んでしまうのではないかと思ったものである。しかし
生来の烈しい気性のためか、この発作がヒステリーに変わって、泣き崩《くず》れて理性....
「星座」より 著者:有島武郎
がら碌々《ろくろく》として何事をもなしえざること痛悔《つうかい》の至りに候ことに
生来病弱|事志《ことこころざし》と違い候は天の無為を罰してしかるものとみずから憫....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、ただ(御気分はいかがですか、お大事になさいまし、)と、だけだけれども、心優しき
生来の、自から言外の情が籠るため、病者は少なからぬ慰安を感じて、結句院長の廻診よ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
知れない。然し私にはその人々の何処かに私を牽き付ける或るものが感ぜられる。私には
生来持ち合わしていない或る上品さ、或る聡明さが窺われるからだ。 何という多趣多....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
った。文房具屋で、本や新聞も売るし、製本もやっていた。リボーは名前から判ずると、
生来の英国人では無いらしい。とにかく、学問も多少あったし、占星術も学んだという人....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
には世にもすさまじい闘争がおもむろに展開されることになったのである。 ブロムは
生来荒々しい騎士道精神をいくぶん持っていたので、この婦人に対する権利を決めるには....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ら、砂は浴びる、埃はかかる、汗にはなる、分けて足のうらのざらざらするのが堪難い、
生来の潔癖、茂の動く涼しい風にも眉を顰めて歩を移すと、博物館の此方、時事新報の大....
「妖怪学」より 著者:井上円了
いまだ解すべからず。また、別に説をなすものありて、前端相合するは手の筋肉の組織、
生来しかるによるというも、これまた、ひとたび合するものの再び開くの理を解すべから....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ず。なんとなれば、コックリはなにびとこれを行うも、必ずその効験あるにあらずして、
生来信仰心の厚きもの、知力に乏しきもの、または婦女子のごとき感動しやすき性質を有....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を治する薬また一つならず、一方をもって万病を治することあたわず。今、我人の性質、
生来おのおの別なり。万人には万人の心あり、知者あり無知あり、鋭利なるものあり魯鈍....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
庭に満つ。このときまさしく旧八月十五夜に当たり、南球の春天に三五の明月を仰ぐは、
生来未曾有の奇観にして、また一大快事なり。その光景、おのずから吟情をして勃然たら....