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生残り
「生残り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生残りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
き人造人間に人間の魂を移し植えるために奏せられるのであろうか。いやそれは只一人の
生残り人間なる専制コハクのために奏せられる挽歌であった。卓越せる頭脳の持主である....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
この世は今や九百九十匹の悪魔と、僅か十人の神様とによって支配されているのだ。その
生残りの神様も遠からず、この世から追放されてしまうであろう」と心細いことを主張し....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
と三十分も経ってから、この三階建てのビルディングが崩れるような音をたてて、四人の
生残り女給が悲鳴と共に駈け下りて来た。その恰好は話にも絵にもならない。滑稽と悲惨....
「李陵」より 著者:中島敦
やく、生きることの歓《よろこ》びを失いつくしたのちもなお表現することの歓びだけは
生残りうるものだということを、彼は発見した。しかし、そのころになってもまだ、彼の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いだにこんな大恐慌《だいきょうこう》をもたらしたので。 かくて、丹波を中心に、
生残り組のこの大評定となったのです。 このとき、外の廊下に、サヤサヤとやさしい....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
時傍の骨格逞しい眼付きの凄い老人に筆者を引合わせて曰く、 「この男は加波山事件の
生残りじゃ。今でも、良え荷物(国事犯的仕事。もしくは暗殺相手の意)があれば直ぐに....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
た。 イネ国滅亡の日に、魂ある男子はもちろん、女子も共に祖国に殉じた。魂のない
生残り者として生れた子等は、ついに永遠に、魂を持つ機会を与えられないのであろうか....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
馬団の仲間の人に、証明していただきますわ」 それから房枝は、いろいろと願って、
生残りの団員たちを呼びあつめてもらった。こんなときに帆村がいれば、どんなに助かる....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
組員だれもの想いでもあった。 それはそれでいいとして、その次に、この二十四人の
生残りの船員たちをひどく脅かすものが残っていた。“人間よりも恐ろしい!”という文....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り、女だけが助かりましたのやそうでございます」 「おやおや、運が悪いねえ、心中の
生残りは浮ばれない」 「それから後、男の方の菩提《ぼだい》は、この上の長安寺の方....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
から手を離し、呆然として腕組みした。 そこへ、老博士や、怪老人や、船に収容した
生残りの技術員たちが駈けつけて来た。 「どうしたのだ」 「運転士! どうしたんだ....
「四十八人目」より 著者:森田草平
口上書一通写し進じ候。いずれも忠信の者どもに候間、御回向をも成下べく候。その場に
生残り候者ども、さだめて引出され御尋ね御仕置にも仰附けらるべく、もちろんその段|....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
た。 浪花節で桃中軒雲右衛門も芸風の大きいことに於てずば抜けていた、剣道で旧幕
生残りの人で僅かに心貝忠篤氏の硬骨振りが目に止まっているばかり。画家では芳崖も雅....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
て、一生平穏でありうるかどうか。そういう予言は全然できません。 桜木町
生残り婦人の話 沼田咲子(廿九歳) わたくしと良人と恵里ちゃん(当歳の赤ちゃ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る如くであった。が、世間が驚嘆したのは実は威力ある肩書のためであって、その実質は
生残りの戯作者流に比べて多少の新味はあっても決して余り多く価値するに足らなかった....