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生殺し
「生殺し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生殺しの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
た。 「貴公は、姉弟にいつからでも家へ来いといったそうだが、ただ家へ呼ぶなんて、
生殺しにしないで、ちゃんと女房にしてやったらどうだ」 「はあ……」 「はあじゃ、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寝付いて居ります」 利八の話によると、番頭と小僧はきょうまで熱が下がらないで、
生殺しの蛇のように蜿うち廻っている。奉公人どもは気味を悪がって誰も寄り付かないの....
「蠅男」より 著者:海野十三
がのべられると、村松検事の無罪説を信じていた帆村たちも、それでも村松検事は塩田先
生殺しに無関係であるとはいえなかった。 (しかし、これは何か大きな間違いがあるの....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
「致しました。どこに悪いところがあるやら、こんなに人気の沈んだことはない。まるで
生殺しに会うているようじゃ。死ぬものなら死ぬように。立直るものならそのように、早....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
き斬るなら、うまくいけば、先生にも出来ましょうよ。でも、それじゃアつまらない――
生殺し、なぶり殺しにしてやらなければ――あたしだって、日ごろの恨みだから、短刀の....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
であった時代に体験して来た性質で、子供の時に只わけも無く木に登って見たり、動物を
生殺しにして玩弄にして見たり、又は無意味に暗黒を恐れたりするのは、この性質の発露....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ぼく、このあいだから、腕がムズムズして仕方がないんだ。だって、このままじゃ、蛇の
生殺しみたいで、気が落着かないじゃないか」 「そら、ぼくかて同じことや」 「そう....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ちた。しかし主税は眼を閉じていた。 (無理はない)と彼は思った。 (たとえば蛇の
生殺しのような、そんな境遇に置いているのだからなあ) 一月前のことである、松浦....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
歩き、云い争っていた。 「これお浦、どうしたものだ。どこまで行けばよいのだ。蛇の
生殺しは怪しからんぞ。これいいかげんで……」 渋江典膳であった。五郎蔵の賭場で....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
をひと呼吸《いき》吸っただけで生甲斐を感じた寄席の楽屋が、何だかこのごろでは蛇の
生殺しにされているかのごとき自分の姿を姿見に映して見ているところのようで毎晩々々....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
こいつと見こんだら決して遁さない――噛ぶりついてもあいてを屈伏させる――また、
生殺しにはしておかない、徹底的に、やるまでやる。 武蔵の性格は、元来そういう質....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、朝廷に返上して、慎みに服してきたのだ。それなのに、いちどの喚問さえなく、おれを
生殺しにしておくこの処置は、いったいどういう幕府のはらなのか。 いつか、新田の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かった。――年暮の十二月二十九日からのことですぐ正月をまたいでいたのである。――
生殺しの三日だった。仁木義長が尊氏に処置を仰いでいるものだろうとの想像はつく。 ....
「雪の日」より 著者:近松秋江
後で聞いていたもんだから、……それに引き更えてあなたがいつまでも、他人の娘を蛇の
生殺しのようにしているという腹で、ついそう言ってみたんでしょう。新さんだって本当....