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生活苦
「生活苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生活苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さいアルバム」より 著者:太宰治
、大学へはいってからです。
これは大学時代の写真ですが、この頃になると、多少、
生活苦に似たものを嘗《な》めているので、顔の表情も、そんなに突飛では無いようです....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
うな悩みがあったのでしょうか」 陽子は逆に質問した。 稼ぎ高は多かったから、
生活苦でもない。男との立ち入った関係も、噂に上るようなものはなさそうだ。 警官....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
四人の子供を控えた初代惣右衛門夫婦の小歴史は、馬籠のような困窮な村にあって激しい
生活苦とたたかった人たちの歴史である。百姓の仕事とする朝草も、春先青草を見かける....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
三代目、四代目となるうちには、それほど惣右衛門父子が馬籠のような村にあって激しい
生活苦とたたかった歴史を知らない。初代の家内が内職に豆腐屋までして、夜通し石臼を....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
のは、苦の原因についての問題です。いったいマルクスは、人間苦、いやプロレタリヤの
生活苦の原因をば、あくまで社会機構の欠陥に求めました。資本主義制度の矛盾におきま....
「十五年間」より 著者:太宰治
小説を書きとおした。 戦争成金のほかは、誰しも今は苦しいのだから、自分ひとりの
生活苦は言うまいと思って努めて快活のふうを装っていたが、それでも、あまりに心細く....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
るから無邪気で、暗さがない。生涯ろくな目にあはなかつた筈だが、その魂にも外形にも
生活苦の陰鬱な刻印がないのは、頭のネヂのゆるんだところがあるせいで、その代り天真....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
をなしているような話であっても、その半面には直接好景気のお蔭を被らぬ俸給生活者の
生活苦の声があり、小売商はその間にあって、一方からは高い材料を買い、一方へはそん....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
の残党や、楠氏の残党その者達である。で、そういう武士達は、時勢がだんだん逼塞し、
生活苦が蔓延するに従い、個人で単独に行動していたのでは、強請、押借というようなこ....
「諦めている子供たち」より 著者:坂口安吾
いるのである。それが少年少女に特に強くでる。なぜかというとオトトやオカカは自分の
生活苦があっていかに生れつきの持前でも多少は自分を笑いたくないような悲しいやつれ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
事で一杯です。 お人形に凝り出してから、みんな一様に苦しかった時代ですが、随分
生活苦と闘いました。が、どうしても他の職につく気になれません。生計のお人形を造り....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
く気になれば人間生きられないことはないと分っていても、昔の地位や身分にとらわれて
生活苦に追われ自殺するというような例も少くない。 「ヤイ、八五郎、そこへ坐れ。お....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
何処にでも居るのである。 智恵子が結婚してから死ぬまでの二十四年間の生活は愛と
生活苦と芸術への精進と矛盾と、そうして闘病との間断なき一連続に過ぎなかった。彼女....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
、大凶作、大飢饉地帯の中であるだけに、私は、今までの暗黒街の女群や、ルンペン群の
生活苦闘に対して感じたのとはまた異った、一種特別の暗然たる気持ち――泣きながら眠....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
精神の疲れでしょうとうっかり口をすべらせて、はっとした。しかし単純な神官はそれを
生活苦のことと解釈し、老妻を元気づけるため白ひげをしごいて、あははははと高笑い、....