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生煮え
「生煮え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生煮えの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
か申すは、どこの馬の骨じゃ」 「何だと!」 「騒ぐな騒ぐな。虎の威を藉《か》りて
生煮えの啖呵《たんか》を切るものではない。農工商の上に立つお歴々が、尾をふりふり....
「門」より 著者:夏目漱石
異状があるらしく思われるので、内心では始終《しじゅう》心配していた矢先だから、平
生煮え切らない宗助の果断を喜んだ。けれどもその突然なのにも全く驚ろいた。 「遊び....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
旅館の朝はどうだろう。……溝の上澄みのような冷たい汁に、おん羮ほどに蜆が泳いで、
生煮えの臭さといったらなかった。…… 山も、空も氷を透すごとく澄みきって、松の....
「みごとな女」より 著者:森本薫
承知の……と言うより、そう言う所を買ってくれる。 真紀 ないでしょう、そんなの。
生煮えの御飯を食べさせられてにやにやしてるなんて……若しあったとしたら、少し気味....
「牛鍋」より 著者:森鴎外
な肉の切れは得られないでも、小さい切れは得られる。好く煮えたのは得られないでも、
生煮えなのは得られる。肉は得られないでも、葱は得られる。 浅草公園に何とかいう....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
お前さんは消化し切れなかった牛肉の一片かも知れない。芥子の一点か、乾酪の小片か、
生煮えの薯の砕片位のものかも知れないよ。お前さんが何であろうと、お前さんには墓場....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
飲み、よく談じた。 牛鍋をつっつく時の彼は面白かった。飲みながら、談じながら、
生煮えの肉を頬張った。一切れ頬張ると、また箸をつきだして、鍋の中の
生煮えの一切れ....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
、民族共同体への隠されたる反感とによって、次代の青年たちを、生かしも、殺しもせぬ
生煮えの状態にいぶしつつあるのである。これは悲しむべき光景である。是非ともこれは....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
るかたのいさぎよさ」を讃えている。 これらの著者の態度は一方から云えば不徹底で
生煮えのようでもあるが、ものの両面を認識して全体を把握し、しかもすべての人間現象....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
感情に出発した共同生活の建設とでもいったらいいかと思っているんだ。しかし、こんな
生煮えの言葉をそのまま鵜呑みにされても困る。それよりか、これまでの学校でやって来....
「地上」より 著者:島田清次郎
、O伯爵家の暗い竹藪に接した長四畳の片隅で、急ぐときはポチに食わした残りの冷飯に
生煮えの熱い味噌汁を添えて食うのであった。彼は女中の腹を立てたような顔が嫌だった....