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「生立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
い》を以《も》ってしては、ちょっと見つかりそうもありませんから、ただ、私の赤貧の生立ちと比較して軽く形容しているのだと解して、おしのび下さい。)華族の当主で、し....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
た。土地では珍しいから、引越す時|一枝折って来てさし芽にしたのが、次第に丈たかく生立ちはしたが、葉ばかり茂って、蕾を持たない。丁ど十年目に、一昨年の卯月の末には....
三人の双生児」より 著者:海野十三
しをしたが、何かほかに銀平老人が知っていることはないかと訊ねた。 「ああ、真公の生立ちが知りたいというのだネ。あれは今からザット十五六年も前、四国の徳島で買った....
食魔」より 著者:岡本かの子
に入り、トンネルを抜け横町が尽きて、やや広い通りに折れ曲るまでの間は自分の数奇の生立ちや、燃え盛る野心や、ままならぬ浮世や、癪に触る現在の境遇をしばし忘れて、靉....
」より 著者:徳田秋声
われた。稚い時分から、始終劣敗の地位に虐げられて来た、すべての点に不完全の自分の生立ちが、まざまざと胸に浮んだ。それより一層退化されてこの世へ出て来る、赤子のこ....
惜別」より 著者:太宰治
に、日本へ来てあんなにおしゃべりした夜は無いと言っていた。周さんはその夜、自分の生立ちやら、希望やら、清国の現状やらを、呆れるくらいの熱情を以て語った。東洋当面....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ひとづて》ですから、お角さんの根掘り葉掘りに対して、つまり味鋺の子鉄なるものの生立ちから、性質の細かいことなんぞは知っていようはずがないから、勢い、どうしても....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もございません」 「誰か、あの男の生立《おいた》ちを知っているものはないか」 「生立ちと申しますのは……」 「あの男の子供時代のことだ、いや、それよりも親の時代....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
の住所姓名位階とともに列記してあって、それから各回の競馬に出場する光栄ある馬族の生立ち、重量、騎手、色分等々々を順序を追って個人的に――じゃない、個馬的に記述し....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
るに及び、猛悪果敢の牛質、衆牛にぬきんで――」なんかと、まあ、いったふうに、牛の生立ち・日常生活・その行状等を記述して余すところない。みんな買って、わくわくしな....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
立って歩ける身の上、不幸にして腹にあるうち、母が石井の家へ帰りまして、私は町家で生立ちまして、それゆえ貴方がお役で御出張になりましても、つい向う前に居りながら、....
アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
い年月の間にこれだけの仕事を仕遂げるだけの活力を持っている人間の、「人」としての生立ちや、日常生活や、環境は多くの人の知りたいと思うところであろう。 それで私....
被尾行者」より 著者:小酒井不木
いてたずねた。 「いや……それで何をきいて行きましたか」 「あなたの故郷だとか、生立ちだとかでした。もとより私は委しいことは知りませんから、何も申しませんでした....
申訳」より 著者:永井荷風
の容貌の冷静なことと、平生から切長の眼尻に剣のあった其の眼の鋭い事とは、この女の生立ちと経歴とを語って余りあるものの如くに思われた。 僕は相手の気勢を挫《くじ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
/\慄えながらまいる。 侍「其の方は泳ぎを存じて居るか」 百「ハイ、ここ此の村で生立ちましたから、少けえ時分から新利根川へ這入っちゃア泳ぎましたから、泳ぎは知っ....