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「生肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
せた。 「節ちゃん、お前もお上りよ」こう岸本は節子にも言って、皿にある薄赤い鳥の生肉を順に鍋の方へと移した。取替《とっか》え引替《ひっか》え子供等のお替りで、煮....
前哨」より 著者:黒島伝治
れる肉類は、罐詰の肉ときている彼等は、不潔なキタない豚からまッさきにクン/\した生肉の匂いと、味わいを想像した。そして、すぐ、愉快な遊びを計画した。 五分間も....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、角力は勝ちゃいいんだ、と憎々しげにせせら笑って悠然と引き上げ、朝昼晩、牛馬羊の生肉を食って力をつけ、顔は鬼の如く赤く大きく、路傍で遊んでいる子はそれを見て、き....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
た、あのいやったらしい動物がいたのです。その三匹の動物がいま、木の根っこや、何か生肉をしきりに食っていました。三匹は首のところを丈夫な紐でくゝられ、柱につながれ....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
にはいりこんで、珍らしそうに亀たちをからかっていたが、遂には互に馴れてきて、魚の生肉などを與える時には、同じ皿のものを仔猫と亀と仲よく食べてる始末である。 無....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
どうけつ》がまっくらになるや否や、巧みな小噺作者《こばなしさくしゃ》のペローが「生肉《なまにく》」と呼んだところのものがそこにあるのを感じて、ガヴローシュのテン....
秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
》をかじり、蚶子《フウツ》をほじくった。清水のなかに住むこの大蟹と小蝦と小貝との生肉について、彼はしきりに自賛していた。 「こういう食物は、寄生虫の伝説さえなけ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
片を審しそうに見ていたが、とうとう片手で取り上げて口へ持って行って噛み付いたが、生肉の味とは似ても似つかぬ微妙な味に驚いたか、その肉片を握ったまま彼の仲間へ飛ん....
香熊」より 著者:佐藤垢石
、脊肉では至味とは言えません。けれど、料理には遺憾なく腕を揮ったつもりです。まず生肉を蒜薑を刻んだものと、酒と醋に一昼夜漬け込み、そのまま高熱で煮て燗熟させ、土....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
ろが、大阪人は鯨の肉をよく知っている。紀州や土佐の国など鯨の産地が近いから、鯨の生肉がたやすく手に入ったためであろう。 しかし、大阪の商人はひどいことをやった....
断食芸人」より 著者:カフカフランツ
気の発散、夜間における動物たちのざわめき、猛獣たちにやるため眼の前を運ばれていく生肉、餌をやるときのけものの叫び声、こうしたものが芸人をひどく傷つけ、たえず彼の....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に着きますと大変大きな恐ろしい犬が五、六疋もやって来てワイワイ吠え立てた。 平生肉と糞ばかり喰って居る犬ですからその顔付は甚だ猛悪で毛は非常に長い。大きさは今....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
するに一定の法衣を着すること (十七)頭上の一部分を剃髪すること (十八)祭日に生肉を食せず断食を行うこと (十九)僧徒はたいてい寺院内に寄宿すること (二十)....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
を喰った祟りの話も、けだし普通民が牛馬も喰わなくなった後の産物かもしれぬ。 殺生肉食嫌忌の宣伝から起った食肉禁忌の思想がだんだんとこうじて来て、従来もっぱら食....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ウ」と云うとある。この場合濫僧すなわちエタであったのだ。そのほか漁師狩人など、殺生肉食を常習とするものをも、鎌倉時代には一般にエタの仲間に入れておった。前に引い....