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生薑
「生薑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生薑の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
とするらしかった。 お松が自分をおぶって、囲炉裏端へ上った時に母とお松の母は、
生薑《しょうが》の赤漬と白砂糖で茶を飲んで居った。お松は「今夜坊さんはねえやの処....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
かしらん。棚の下には味噌の甕《かめ》、醤油《しょうゆ》の樽《たる》。釘に懸けたは
生薑擦子《わさびおろし》か。流許の氷は溶けてちょろちょろとして溝《どぶ》の内へ入....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
む父よりも、賢い継母のおまんを恐れている。 酒のさかなには、冷豆腐、薬味、摺り
生薑に青紫蘇。それに胡瓜もみ、茄子の新漬けぐらいのところで、半蔵と寿平次とは涼し....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
った声で若い人々のためにあきずに歌留多牌を読んでくれた。茶の時には蜜柑と五目飯の
生薑とが一座の眼をあざやかにした。帰りはいつも十一時を過ぎていた。さびしい士族屋....
「縮図」より 著者:徳田秋声
しいと見ると、子供を近くの煮物屋へ走らせ、酒で爛れた胃袋にふさわしい、塩昆布や赤
生薑のようなものを買わせ、朋輩芸者の前に出すのだが、きゃら蕗や葉蕃椒のようなもの....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ない。すぐおいで。」 「宗ちゃん、……朝の御飯はね、煮豆が買って蓋ものに、……紅
生薑と……紙の蔽がしてありますよ。」 風俗係は草履を片手に、もう入口の襖を開け....
「日輪」より 著者:横光利一
投げながら、彼方の森からだんだん高く昇っていった。そのとき、一人の痩せた若者が、
生薑を噛みつつ木※樹の下へ現れた。彼は破れた軽い麻鞋を、水に浸った俵のように重々....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ゅうり》 若干 梅 四斗 茶 一貫目 牛蒡《ごぼう》 五十貫
生薑《しょうが》 五貫目 大根 若干 蕎麦《そば》 三斗 菊芋 ....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
バンダラウェラは、雨期の赤土のような土耳古《トルコ》珈琲のほかに、ジャマイカ産の
生薑《しょうが》水をも売っていた。それには、タミル族の女給の唾《つば》と、適度の....
「鯰」より 著者:佐藤垢石
切り、胡麻油四勺、酒六勺、醤油五勺、白湯五勺、葱二本を細長く一寸位に切ったもの、
生薑の刻んだもの二匁を材料とし、まず鍋に油を沸らせ、鯰の肉を入れて時々箸で裏返し....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
野菜の多い夏が重です。茄子、胡瓜の割漬、あの紫色と緑色とのすがすがしさ。それに新
生薑を添えたのが出ると、お膳の上に涼風が立ちます。茄子をいつも好い色にと思うと、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
まること奇妙なり。 (三)股ずれをたちまち治する呪術 その法は、袖の中へ
生薑を入れて歩くべし。ただちに治すること妙なり。薑の干たるときは、また生なるに取....
「田螺」より 著者:北大路魯山人
出しにでも出ると、吾人はなにはともかく、親しみを感じる。にこっとせざるを得ない。
生薑をたくさん刻み込んで煮つけたのは通常どこでもやることだが、どこで食っても大概....