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「生薬屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生薬屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ら東へ真直《まっすぐ》に、寺の門だの、仏師屋《ぶっしや》だの、古臭《ふるくさ》い生薬屋《きぐすりや》だの、徳川時代のがらくたを埃《ほこり》といっしょに並べた道具....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
発明した。すると猿股の勢力は頓《とみ》に衰えて、羽織全盛の時代となった。八百屋、生薬屋《きぐすりや》、呉服屋は皆この大発明家の末流《ばつりゅう》である。猿股期、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
というのはどんな女だ」 「芝口の下駄屋の娘で、兄貴は家の職をしていて、弟は両国の生薬屋《きぐすりや》に奉公しているそうです」と、源次は説明した。 「よし、判った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に出っくわした娘は主人の娘かえ」 「いいえ。一軒|隔《お》いて隣りの備前屋という生薬屋《きぐすりや》の娘さんでございます」と、勘蔵は答えた。「わたくしが人込みの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めかみ》をおさえながら長火鉢のまえに欝陶《うっとう》しそうに坐っていると、町内の生薬屋《きぐすりや》の亭主の平兵衛がたずねて来た。 「お早うございます。毎日うっ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鮫洲の金造……。あいつならわっしも知っています。現にきのうも品川で逢いましたよ。生薬屋の店で何か買っていました」 「金造はどんな奴だ」 「なに、けちな野郎ですよ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、母と共に暮らしていることは、前にもしばしば云った。そのすぐ近所に甲州屋という生薬屋があって、そこのお直という娘がお粂のところへ稽古に通っているのを、半七も知....
紫紺染について」より 著者:宮沢賢治
た。 「なるほど、紫紺《しこん》の職人《しょくにん》はみな死《し》んでしまった。生薬屋のおやじも死《し》んだと。そうしてみるとさしあたり、紫紺についての先輩《せ....
明治座の所感を虚子君に問れて」より 著者:夏目漱石
るほどおかしくするだけである。それを心から感心して見るのは、どうしたって、本町の生薬屋《きぐすりや》の御神《おかみ》さんと同程度の頭脳である。こんな謀反人《むほ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
り。四十年ほど前予が本草学を修めた頃は、京阪から和歌山田辺(想うに全国到る処)の生薬屋に、馬、牛、猴、獺《うそ》、狐、狸、狗、鹿、鯨、また殊に膃肭獣《おっとせい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りねえとおっしゃる――ナニ、鉄砲だって?」 米友は屋根の上を屹《きっ》と見る。生薬屋《きぐすりや》の屋根の上へ火縄銃を担《かつ》ぎ上げたのは、米友も知っている....
凧の話」より 著者:淡島寒月
凧の絵の赤い色は皆な蘇枋というもので描いたので、これはやはり日本橋の伊勢佐という生薬屋で専売していたのだが、これを火で温めながら、凧へ塗ったものである。その秩父....
」より 著者:永井荷風
に着換る為め、一先《ひとまず》屋敷へ這入る。田崎は伝通院前《でんずういんまえ》の生薬屋《きぐすりや》に硫黄《いおう》と烟硝《えんしょう》を買いに行く。残りのもの....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
して之を観れば」何ごとも変らないのに違いない。僕もまた僕の小学時代には鉄面皮にも生薬屋へ行って「半紙を下さい」などといったものだった。 僕等は門並みの待合の間....