産む[語句情報] »
産む
「産む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ましたら、都合好く順々に出て来たので、案外にばたばたと片付きました。案じるよりは
産むが易いとは此の事です」 最後に残ったのは女二人の始末である。それについて、....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ても果てしがない。ともかくも主人に逢った上でまた分別の仕様もあろう。案じるよりも
産むが易いの譬《たと》えで、思いのほかに主人がこころよく免《ゆる》してくれるかも....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ひっぱって来る必要がない。人間は、ちょうどよい工合に一人が千年に一人ぐらい子供を
産むことになる。これは接木や挿木をくりかえして来た蜜柑には種子がなくなると同じで....
「遊星植民説」より 著者:海野十三
あオリオン星座附近で、新しい遊星を見付けて降下しよう。そこでお前は、幾人もの仔を
産むのだ。今は淋しいが、もう二十万年も経てば、地球位には賑やかになるよ。おお、な....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
口を利く。「ここのおつかい姫は、何だな、馬鹿に恥かしがり屋で居るんだな。なかなか
産む処を見せないが。」「旦那、とんでもねえ罰が当る。」「撃つやつとどうかな。」段....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
可うがす、何、大概大丈夫でしょう、心配はありますまいぜ。諺にも何でさ、案ずるより
産むが易いって謂いまさ。」 「何だね、お前さん。」とそこどころではない、道は窘め....
「人造物語」より 著者:海野十三
盛んに国土を産み、いろいろ特殊の専門というか、技術を弁えられたさまざまの神々達を
産むことに成功し給うたと書いてある。これも、人造人間の思想と見てさしつかえないで....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
母親に尋ねられて、お夏は落着いても、胸は騒いだのであるけれども、これも案ずるより
産むが安かった。 「愛吉、」 「ええ、」 無言で目を合せていて、やがてのこと。....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
。父母存在し、一姉あり、さきに他に嫁し、一弟あり、齢七歳にして没す。妻あり一男を
産む、成長す。当時家族五人、予や明治十二年以降、某|官衙に微官を奉ず。しかして、....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
君よりは猫の方がよっぽど豪かった、」と手柄顔をした。それから以来習慣が付き、子を
産む度毎に必ず助産のお役を勤め、「犬猫の産科病院が出来ればさしずめ院長になれる経....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
悪いとあるいは落第するかも知れぬと実事虚事打混ぜて哀訴嘆願に及ぶと、案じるよりも
産むが易く、ヘボンの字書なら買ってもいいということになって、すぐに二円五十銭を渡....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
ね。しっかりした技術的な腕もあり、度胸もあって、堅実な途を踏む新しい型の鉱山師を
産むところまで、時代が来ている」 おそらく土田も中野あたりを心に描いての言葉だ....
「金持ちと鶏」より 著者:小川未明
鶏でも飼って、新鮮な卵を産まして食べようと思いました。 鳥屋へいって、よく卵を
産む鶏を欲しいのだが、あるか、と聞きました。 鳥屋の主人は、 「よく卵を
産む鶏....
「古事記」より 著者:太安万侶
木の花の咲くや姫が參り出て申すには、「わたくしは姙娠《にんしん》しまして、今子を
産む時になりました。これは天の神の御子ですから、勝手にお生み申し上《あ》ぐべきで....
「常に自然は語る」より 著者:小川未明
あろう。 人間は、意識的に、形態を定めることはできる。しかし、詩を作り、幸福を
産むことはできない。強権下には、永遠に、人生の平和はあり得ないごとく。たゞ、純情....