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産婆
「産婆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産婆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
屋へ見物にゆきました。河童もお産をする時には我々人間と同じことです。やはり医者や
産婆《さんば》などの助けを借りてお産をするのです。けれどもお産をするとなると、父....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
一人の女中とに手伝われながら、火を起したり、湯を沸かしたり、使を走らせたりした。
産婆が雪で真白になってころげこんで来た時は、家中のものが思わずほっと気息《いき》....
「星座」より 著者:有島武郎
家庭にはもちろん女がいた。しかしそこには同時に男もいるのだ。けれどもおぬいさんは
産婆を職業としているその母と二人だけで暮しているのだから。
客間をも居間をも兼....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
声で新聞社へ電話された。 豹一は火事場に駈けつけるような恰好で、飛んで帰った。
産婆が来ていた。 階下の台所を借りて湯をわかしていた母親は、豹一の顔を見るなり....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が、太陽太陰の合に際して生れた者の身体は虚弱だと言っているのみならず、経験のある
産婆や母親は、こういう場合に子供が生れると、その子の将来必ず虚弱であることを予想....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
へ。) とこう言う。 (何しに行くんだね。) (取揚げに行く事よ。) ああ、
産婆か。道理で、と私は思った。今時そんなのは無いかも知れんが、昔の
産婆さんにはこ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
のにやすやすと赤子は生まれた。 「どうせ女でしょうよ」 妻はやけにそういえば、
産婆は声静かに笑いながら、 「えィお嬢さまでいらっしゃいますよ」 生まれる運を....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
君たちの母親は、真一と君とを生んだのに違いない。これは徳島に隠棲しているその時の
産婆の平井お梅というのを探しだして聞きだしたのだ。書いて貰ってきたものもあるから....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
歩するもの、俳気のある婦人か、さては越の国にありちゅう雪女なるべし、)傭お針か、
産婆だろう、とある処へ。……聞いたら怒るだろう、……バッタリ女教師の渚女史にぶつ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
く力もないくらい衰弱しきっていて、私に乳を飲ませるのもおぼつかなく、びっくりした
産婆が私の口を乳房から引き離した時は、もう母の顔は蝋の色になっていて歯の間から舌....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
た。その予言が見事に適中して人々を驚かせた。 その知らせに驚いて駈けつけて来た
産婆にむかって、お妻は訊いた。 「男ですか、女ですか。」 「坊ちゃんでございます....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ょうど好い。産婦に血を上らしてはいけねえと、連れて来た赤ン坊を今産れたと偽る様に
産婆と腹を合せてその場を繕ったのが今のお玉。実のお母親の気でいても全くは他人、こ....
「迷信解」より 著者:井上円了
に至らしめ、蛭子、大黒を祀りて強欲の根拠とし、天満宮を卑猥のなかだちとし、観音を
産婆代わりとし、狐、狸、天狗の妄談、いささかの辻神、辻仏に種々の霊験をみだりにい....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
あけて、持子は男の子を産んだ。産気づくとおたかは襷を掛けて、鉢巻しかねなかった。
産婆が取りあげると、娘たちは、口々におう、おうと唸りながら、しわくちゃの赤ん坊の....
「俗臭」より 著者:織田作之助
兄はそれまで豆腐屋をしていたが、廃業して、気楽な煙草屋を始めることになった。妹は
産婆をしていたが、これも廃業して、歯医者と結婚した。その時の祝いに、彼女は千円も....