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産屋
「産屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
にマレー半島のペラック、セマン人懐妊すると父が予《あらかじ》め生まるべき児の名を
産屋《うぶや》近く生え居る樹の名から採って定めおく。児が産まれるや否や産婆高声で....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、こっちまで飛んで来てはやり切れません」
「まあ、多分大丈夫と思いますがね――物
産屋の長崎屋とやらは、大そう狡猾《こうかつ》な人だそうで、米商いにまで手をのばし....
「白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
、三味線、鉦《かね》などの音が町の入口から聞えた。 今、彼等は坂のつき当りの土
産屋の前で芸当をやっていた。土
産屋の前は自動車を廻せる程度の広場なので足場がいい....
「道標」より 著者:宮本百合子
出かけましょう」
旅行用のいくらか大型のそのハンド・バッグには、マース河岸の土
産屋で伸子がベルネの細君のために買った銀の記念スプーンがはいっているのだった。
....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
召のとき、母はひろ子をつれて、わざわざ讃岐の琴平へ詣った。雨が降り出した。下の土
産屋で、番傘と下駄とをかり、下界から吹き上げる風に重い傘を煽られまいとして、数百....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
こりゃ死霊の祟がある。この鬼に負けてはならぬぞ。この方から逆寄せして、別宅のその
産屋へ、守刀を真先に露払いで乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上りますのに勢....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
た巣は一番上等だ。鷺の中でも貴婦人となると、産は雪の中らしい。人目を忍ぶんだな。
産屋も奥御殿という処だ。」「やれ、罰が当るてば。旦那。」「撃つやつとどうかな。」....
「源氏物語」より 著者:紫式部
い時にも母が心配しましてよく訓戒されました。妙法寺の別当の坊様が私の生まれる時|
産屋にいたのですってね。その方にあやかったのだと言って母が歎息しておりました。ど....
「源氏物語」より 著者:紫式部
は生んだ。大将は何事も順調に行くと喜んで、愛妻から生まれた子供を大事にしていた。
産屋の祝いの派手に行なわれた様子などは書かないでも読者は想像するがよい。内大臣も....
「源氏物語」より 著者:紫式部
老尼君のためにだけはうれしいことと見えても、外見へは不都合であるために、南の町へ
産屋を移す計画ができていた。紫の女王も出て来た。白い服装をして母らしく若宮をお抱....
「源氏物語」より 著者:紫式部
分は未来が短くなっているのだからと思うと心細くて、仏勤めばかりをする癖がついて、
産屋の騒がしい空気と自分とはしっくり合わない気がされてたびたびは来ないのですが、....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
生みおとしになりました。召使いの女官たちは大さわぎをして、赤さんの皇子を抱いて御
産屋へお連れしますと、御殿の中は急に金色の光でかっと明るくなりました。そして皇子....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
子達は、火中から飛び出されたと伝えているが、御母君の末路は不明である。或いはその
産屋の中で、後世所謂火定の終を遂げられたのであったかもしれない。垂仁天皇の皇后狭....
「古事記」より 著者:太安万侶
れました。そこでイザナギの命は「あんたがそうなされるなら、わたしは一日に千五百も
産屋《うぶや》を立てて見せる」と仰せられました。こういう次第で一日にかならず千人....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
は、まだ田舎へ参りますと各地に残っております。思うに太古に於いては必ず屋外に別に
産屋を作って、そこで子を産んだに相違ありません。彦火火出見尊のお妃の豊玉姫が、海....