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産所
「産所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女」より 著者:芥川竜之介
凋《しぼ》んだ薔薇の莟《つぼみ》の※と、――無数の仔蜘蛛を生んだ雌蜘蛛はそう云う
産所《さんじょ》と墓とを兼ねた、紗《しゃ》のような幕の天井の下に、天職を果した母....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
のうち復一は東京の中学を卒え、家畜魚類の研究に力を注いでいる関西のある湖の岸の水
産所へ研究生に入ることになった。いよいよ一週間の後には出発するという九月のある宵....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
似しているのは、甚だ面白い現象である。 今日の欧洲諸国の物権法においては、不動
産所有権の主たる目的物は土地であって、家屋はむしろ土地の構成分子と見る観念も存す....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
あまりに募る迫害に恐れたのか、それともまた子猫がもう一人前になったのか、縁の下の
産所も永久に見捨ててどこかへ移って行った。それでも時々隣の離れの庇の上に母子の姿....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
人民のための人民共和の政府がもたらされなければ、結局、婦人のために保育所一つ、授
産所一つ作られないことが、わかって来たのは必然であると思う。モラトリアムと生活費....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
下男下女どもがぞろぞろと従きました。取揚婆さんは前へ早や駆抜けて、黒門のお部屋へ
産所の用意。 途中、何とも希有な通りものでござりまして、あの蛍がまたむらむらと....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
価値は、無限に余剰価値を再生産する。利潤は利潤を産むのである。かくて資本は私有財
産所有者の手に蓄積する。資本は資本家の懐に、加速度を以て集中する。だから社会の富....
「一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
千円近くとる、 竹内 女房子は故郷に置き下田の男妾、実践を見当にして居る。授
産所の村井ともう一人の女を関係して居る。そのことを、男達に知られるのがいやさに、....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
らくは不安心に思い迷ったが遊びたい一心から産婆や看護婦にまじって乳母も女中たちも
産所に足を運んでいる最中を私の小さな姿は黒門を忍び出たのである。かつて一度も人手....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
れば、人類を欠乏と窮乏に陥れるものであることは、既に述べたところである。そこで財
産所有者が自分にある相応の分け前だけを残し、その残余を、報酬として何も仕事をさせ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
、予てから猫の産月が近づいたので、書斎の戸棚に行李を準備し、小さい座蒲団を敷いて
産所に充てていたところ、昨夜は宵から容子が変なので行李の
産所へ入れるとは直ぐ飛出....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
るるに至るのは、これはやむをえぬ事でありました。 これらの河原者と同じ仲間に、
産所というのがあります。或いは散所・算所などとも書いてあります。摂津の西の宮は人....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
も、またこの類であったらしい。散所法師の掃除人等がサンジョの名を得た事は、別項「
産所考」に説いておいた。これらの官署付属の余戸は、朝廷の紀綱が弛んで、官署頽廃に....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
べた西の宮の傀儡師は、最も適切なる由来を有している。摂津西の宮の付近には、もと「
産所」という部落があった。これは後に説明するところの「散所」の義で、浮浪民の住み....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
竈神の札を配って歩き行いた舞太夫などと類を同じくするとも見られる。 算所または
産所と呼ばれた一種の陰陽師が、また唱門師と同じ者だという証拠は、城州西梅津と、遠....