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「産褥熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

産褥熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
大丈夫なのかな」 「どうですか」 健三は全くの無知識であった。熱さえ出ればすぐ産褥熱《さんじょくねつ》じゃなかろうかという危惧《きぐ》の念を起した。母から掛り....
復讐」より 著者:夢野久作
ですが、そのうちに丁度今から二十年|前の事……品夫の母親が、品夫を生み落したまま産褥熱で死ぬと間もなく、甥の当九郎が又、何の理由も無しに、叔父の源次郎氏と私の養....
足迹」より 著者:徳田秋声
察のしかたをしていたが、別に深い話もしなかった。少し血脚気の気味もあるようだし、産褥熱の出たのも気にくわぬが、これでどうかこうか余病さえ惹き起さなければ、大して....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
ょう。」 明朝までに便《べん》を少量届けてほしいと頼んで医学士は帰っていった。産褥熱! 非常に恐ろしい病気のように聞いていたその名が、順造の頭に閃いた。彼はそ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ァルジャンにはかなり無精なやくざな様子があった。彼はごく早くに両親を失った。母は産褥熱《さんじょくねつ》の手当てがゆき届かなかったために死に、父は彼と同じく枝切....
博物誌」より 著者:岸田国士
と、獣医は言う。 私たちは、なんの病気か訊いてみる勇気もない。 獣医はどうも産褥熱らしいと言う。よく命にかかわることもある病気で、それも特にいい乳牛に多い。....
前妻の怪異」より 著者:田中貢太郎
。 そのうちに妻が妊娠して、翌年になって男の子を分娩したが、ひどい難産のうえに産褥熱で母体が危険になった。青年は幾晩も眠らないで、愛妻を看護する傍、嬰児のため....
天井裏の妖婆」より 著者:田中貢太郎
鏑木清方画伯の夫人が産褥熱で入院した時の話である。 その夫人が入院した時は夜で、しかもひどく遅かっ....
澪標」より 著者:外村繁
るようになったのも、この頃からである。私の六つの時の母の大病は、弟を出産した彼の産褥熱《さんじょくねつ》であった。以来、弟は本家の祖母の許で育てられていたからで....