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産院
「産院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
せ》わしそうに女の肩をぽんぽんと叩いている。滝のあるペンキ絵。白粉《おしろい》や
産院の広告が眼につく。何日ぶりで湯にはいったのかとおかしくなる。
街は雪解けで....
「河沙魚」より 著者:林芙美子
まであったし、自分一人で死ぬのは安いことではあったけれども、まだ籍《せき》もなく
産院に放っておかれている子供が、不憫《ふびん》でもあった。 吹く風は荒れ狂《く....
「結婚論の性格」より 著者:宮本百合子
それらの女性が自分たちとその子のために、社会に必要なあらゆる施設を、それが住宅と
産院であるにしろ、托児所や子供公園であるにしろ、食堂であり、洗濯所であるにしろ、....
「今にわれらも」より 著者:宮本百合子
のために映画館を二万五千にふやしラジオは十倍にひろげられた。農村の学校、診療所、
産院等五ヵ年計画では大した予算で増設されている。 一度あの様子が見せたい、と私....
「生きるための協力者」より 著者:宮本百合子
ヵ月までつとめます。産前二ヵ月、産後二ヵ月、有給休暇をとります。そして居住地域の
産院、母子健康相談所が、若い母と子との健康のために助力します。これは、工場や官庁....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
に映り 歴史はやがて すべての神に似るものを 待ち伏せる。 河岸におしつぶされた
産院の堆積の底から 妻に付き添っていた男ら 手脚をひきずり 石崖の伝馬にあつまる....
「共産党公判を傍聴して」より 著者:宮本百合子
論女も男と同じ労働に対しては同一の賃銀で、産前産後四ヵ月の有給休暇を貰う。無料の
産院がある。そして、昔はブルジョアや貴族がもっていた別荘を、今は労働組合の「休養....
「“生れた権利”をうばうな」より 著者:宮本百合子
。丸公が値上げになったために一般家計が窮迫しはじめたのも昨年中のことです。 寿
産院にあずけられた子供が正当な出生の子供でないということが、まるで子供が殺されて....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
邪魔物、あって益なく、百害あるだけのコケのお説法というものだ。 どこかの都立の
産院だか、病院だかで、捨子公認所をつくったそうだが、こういう工夫をいろいろとやる....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
称して二万ナニガシのムダをする。場合によってはビルマへ行って孫をひきとってくる。
産院で孫のお産をさせるよりも何百何千倍のムダであるが、そのムダをも辞せぬコンタン....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
では、着物に糸で印をつけたり、或いは番号を付したりしています。アメリカの大都市の
産院ではこの間違いを防ぐ為に、初生児の指紋は取り悪いから、蹠紋を取ることにしてい....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いる。その小さなサラリーマン住宅の殆どが旅館のカンバンを出しているのでなければ、
産院であり、カンバンの出ていないのは、女給の下宿で、つまりモグリのパンパン宿であ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
たのではないかと本気で心配したそうだ。ヌイイ・シュウル・セーヌのメルヴィルさんの
産院へ入院してからも、あたしが威勢よくじたばたするので、メルヴィルさんが宣言した....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
る。其の黒く塗られた板塀について曲るとだらだら坂になり、丘の上のメリー皇后の慈善
産院の門前へ出た。此処で景子達は一寸立止まって足を休めた。それから鬱蒼として茂る....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
ない、恰度その頃彼女は誰の子とも分らない嬰児を生んだばかりで、勿論嬰児はそのまま
産院に預けてしまったが、彼女はその夜一文の収入もないのと、無暗と乳の張るのとに苦....