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甥
「甥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
どから結婚問題を持って来るのよ。やれ県会議員の長男だとか、やれ鉱山《やま》持ちの
甥《おい》だとか、写真ばかりももう十枚ばかり見たわ。そうそう、その中には東京に出....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
僕を呼んでいるらしい。しかもこの頃|蓄膿症《ちくのうしょう》のために鼻のつまった
甥《おい》の声である。僕はしぶしぶ立ち上りながら、老人の前へ手を伸ばした。
「じ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
申す事でございます。いや、そればかりか、一度などは若殿様の御文を持って上った私の
甥《おい》に、あの鴉の左大弁様同様、どうしても御門の扉を御開けにならなかったとか....
「竜」より 著者:芥川竜之介
姿をたった一目拝みさえすれば、もう往生しても本望じゃ。』と、剛情にも腰を据えて、
甥の申す事などには耳を借そうとも致しません。と申してあの建札は自分が悪戯《いたず....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るにさえ、余りに真実の幸福に溢《あふ》れすぎているからである。
附記 わたしの
甥はレムブラントの肖像画を買うことを夢みている。しかし彼の小遣いを十円貰うことは....
「或る女」より 著者:有島武郎
ても役に立たないから、幸いオークランドに小農地を持ってとにかく暮らしを立てている
甥《おい》を尋ねて厄介《やっかい》になる事になったので、礼かたがた暇乞《いとまご....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
屋の方では、宵の口から、今度暑中休暇で帰省した、牛込桐楊塾の娘たちに、内の小児、
甥だの、姪だのが一所になった処へ、また小児同志の客があり、草深の一家も来、ヴァイ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、いっその思い、真逆に飛込みます。破れかぶれよ、按摩さん、従兄弟再従兄弟か、伯父
甥か、親類なら、さあ、敵を取れ。私はね、……お仲間の按摩を一人殺しているんだ。」....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
けがらの巣を――窺えば―― ――籠るのは、故郷から出て来て寄食している、糸七の
甥の少年で、小説家の巣に居ながら、心掛は違う、見上げたものの大学志願で、試験準備....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の多い中に、海第一と聞えた美女。 帽子の裡の日の蔭に、長いまつげのせいならず、
甥を見た目に冴がなく、顔の色も薄く曇って、 「銑さん。」 とばかり云った、浴衣....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
は……」と云う言葉は僕を苛立たせずには措かなかった。三番目に封を切った手紙は僕の
甥から来たものだった。僕はやっと一息つき、家事上の問題などを読んで行った。けれど....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
死んでいるが、この人に子供が十人あることは確かで、その十一番目の子だとも、または
甥だともいうのに、ロバートというのがあった。一七二四年に生れ、同八六年に死んでい....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
。 十月二十五日―― 釣師殺しは世に知れわたった。一緒に釣に出かけた被害者の
甥が下手人とされた。 十月二十六日―― 予審判事は
甥を有罪であると断定した。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
高々と端折って、跣足で鍬をついた。……(これがうつくしい伯母さんのために出家した
甥だと、墨染の袖に、その杜若の花ともあるべき処を)茗荷を掴み添えた、真竹の子の長....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ン・チシュカ著『発明家は封鎖を破る』三四―五頁) モルトケ大将はモルトケ元帥の
甥で永くその副官を勤め、陸軍大学出身でなく参謀本部の勤務も甚だ短かった。参謀総長....