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甦り
「甦り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甦りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ります」――老いたる従者はまた云った。「何故と申しますに、十四年前の古い思い出が
甦り蝮に噛まれた昔の傷がちょうどズキズキ痛むように痛んで参ったからでござります。....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
のですもの。ねえ、わたしが死んだら、すぐ人工心臓を取りつけて頂戴、わたしはきっと
甦ります」 「そんなことを言っては悲しくなるじゃないか。気を大きくして居なくては....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
と訝っているロリー氏――の耳に、もう一度、あの以前の問を囁いた。―― 「あなたは
甦りたいとお思いでしょうね?」 それからまたあの以前の答を囁くのだった。―― ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
縋り。 文「これ島人、これ島人」 もう冷え切って居りますから、いくら呼んでも
甦りは致しませぬ。 文「さて/\不憫なことを致したわい」 船「どうも仕方がね....
「地上」より 著者:島田清次郎
じくっている四、五人の少女の群の中に、到るところ、いたる時に和歌子の美しさが彼に
甦り圧倒して来た。殊に平一郎が自分と和歌子との恋は実に深いものであらねばならない....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
一九四五年八月十五日以後の新しく生きようとする日本のしののめのうちに響いた人間の
甦りの声々であった。 日本の男も女も何と苦しく抑えられ息さえ胸いっぱいにはつけ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
活の中で経て来たいろいろのモメントを思いかえして見ると、何とも云えないよろこびが
甦ります。私は何と不安なく、信頼にみちた心で、恐怖もなく、あなたから一つの流れを....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
番はじめの小説を、女学校に通いながら書いていた頃のような書生っぽさ、そんなものが
甦ります。そういうようにして小説も書けてゆくというところに、小説そのものとしての....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
慮深く、とかかれているところをくりかえしています。
まざまざとそのときの苦痛が
甦ります。寝ることも出来なかったし、歩く力もないようになって、夜じゅう何か畳の上....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
春思わず声に出して、ああ、これこそ純金だ、と感じたことがあります、今もその感じが
甦ります。 金に青銅の一定量が混った鉄びんのふたというものが昔つくられました。....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
宗、徳田など、最近の数年間は活動の目立たなかった自然主義以来の作家たちの創作慾の
甦りとして作用したことは興味深い事実であった。「ひかげの花」にしろ「春琴抄」にし....
「道標」より 著者:宮本百合子
タリーの法王は、現代の十字軍として反ソ十字軍をよびかけている。そして、キリストの
甦りという、彼らにとって基本的な奇跡が、マグダラのマリアというイエスを熱愛した一....
「日記・書簡」より 著者:宮本百合子
に堕そうとする。恐ろしいことではないか、自分の此から書こうとする黄銅時代は、更に
甦り、強められた自責の念と、謙譲な虚心とによって書かれなければならないのだ。 ....
「日本の青春」より 著者:宮本百合子
からみあわせて場面をいろどっている。成り上りに対しては、真の貴族であったほこりも
甦り、しかしそのような意識を自嘲せずにいられなくする心理もあるだろう。 漱石は....
「花のたより」より 著者:宮本百合子
あらわれている下様の者とは違ったものの考えかたが、自らその家族写真を見た時も心に
甦り、私はゴーゴリの小説の一頁が、生きてそこに立ち現れて来ているように感じたので....