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「甦る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甦るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
しい人間性の讃美の音楽浴! 累々たるミルキ国の屍人たちはその新しい音楽浴を聞いて甦るのであろうか。 しかし冷たくなった死屍は、墓石のように動かなかった。 博....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ば、格別お耳に入れ申し候」と彼はむすんでいる。 ときどきは、憂鬱を散じ、希望が甦ることもある。一五九九年の「十二夜祭」当日、デンマアク大使のために大夜会が開か....
博物誌」より 著者:岸田国士
彼はじっと見つめている。雲は、愕いて姿を消した。 一度|醒めた迷夢は、忽ち甦る。なんとなれば、雲は間もなく姿を現わし、彼方、水面の波紋が消えて行くあたりに....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
我に続け! 浄土が見えよう、我に続け! 飢えたる者よ、我に来よ! 死したる者よ、甦るだろう! 病める者よ、癒されるであろう! ……食を見付けよ! 到る所にあろう....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いでに、こっちから頼母を探し出し、討ち取ろうと心掛けているのであった。 正気に甦ると見えて、お浦が動き出した。肉附きのよい、ムッチリとした腕を、二本ながら、夜....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
採ったお酒を盛って、妾の所へ来るのだよ。何で妾が飲まないことがあろう。飲むと妾は甦るのだよ。呼吸に身体に心持ちに、太古の女王様が甦るのだよ。誰であろうと妾を止め....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
。』と。長くはないだろう、ねえ、車掌。ジェリー、こう言ってくれ。わたしの返事は、甦る、というのだった、とね。」 ジェリーは鞍の上でぎょっとした。「そいつあまた....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
て、夕陽が赤城の山襞を浮き彫りにするとき、私の眼には白川狐が、餅を食べている姿が甦る。白川狐は、いまもなお赤城の山襞に、永遠の生を続けているであろう。 赤城の....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
かなくなってしまった。 そこへ若いF君がやって来た。自分はF君に、この虫が再び甦ると思うか、このままに死んでしまうと思うかと聞いた。もちろん自分にも分らなかっ....
語られざる哲学」より 著者:三木清
りくだって絶対に他を信頼する心、自由の獲得のためにはあくまで戦って大死一番して後甦るの工夫を忘れない剛健な心、それらに対してのみ救済の完成と自由の完成とは存在す....
午市」より 著者:宮本百合子
らしているのである。 ひとふきの涼風で、彼女は物懶《ものう》い瞼も冴え冴えと、甦るような心持がした。 「いい風ですことね。御近所に川でもありますの?」 彼女....
海辺小曲(一九二三年二月――)」より 著者:宮本百合子
頭に 白く まろく、また果《は》かなく 少女時代の夢のように泡立つ泡沫は 新たに甦る私の前歯とはならないか。 打ちよせ 打ち返し轟く永遠の動きは 鈍痲し易い人間....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
向ってされているあれこれのことは消されて、その面と思われる点だけ、あなたの印象に甦るのね。常に同じことが甦るのね。それは何となく不思議のようです、そのところだけ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人作家を送り出すでしょう。分裂の方向でない新しさ、健やかなリアリズムが、どの程度甦るでしょうね、サッカレーが出たこと丈考えてみても、その素質がないとは云えますま....
対話」より 著者:宮本百合子
《ひかり》の翼で触ってやると、人間は、五月の樫が朝露に会ったように、活々と若く、甦るのです。 (使者去る) イオイナ ――神々は、私が余り人間の味方をする....