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用ゆ
「用ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
匠《いしょう》して網代《あじろ》、船板、洒竹などを用ゐ云々」。かつまた、「竹材を
用ゆる事の範囲|並《ならび》に其《そ》の美術的価値を論ずるは最も興味ある事」であ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
婀娜《なよなよ》として貴婦人の様子が有る、若し厳重に批評すれば其の美しさは舞楽に
用ゆる天女の仮面と云う様な塩梅《あんばい》で、生きた人間の顔としては余り規則が正....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いう伝説がある。茉莉花の根を磨って、酒にまぜ合わせて飲むのである。根の長さ一寸を
用ゆれば、仮死すること一日にして蘇生する。六、七寸を
用ゆれば、仮死すること数日に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
トリヒナス属(矢毒クラーレの原植物)が寄生すると、その果実を土人が珍重して呪術に
用ゆるけれども、恐らくそれではないか――という報告を一つもたらせたのみである。た....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
得ず、自営の力なきものは他に制せられざるを得ず、自由は智識の進歩して固有の能力を
用ゆるものほど多くこれを有す。貴賤の間に礼譲存し貧富の交に敬愛行なわれ、しかして....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
薬を常用するがためで、凡そ腹痛下痢はさらなり、頭痛、眩暈、何ぞというと必ず定斎を
用ゆる。 彼の炎天に青貝入りの薬箱を担ぎ、抽斗の鐶の歩むたびに鳴るを呼び売りの....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
て、到頭隣家の二三軒までも焼落ちて了った。此晩の丸善の宿直が揃いも揃って近視鏡を
用ゆる三名、寄宿の小僮が十名。唯った之ぎりの人数だから、近所の取引先きや出入の職....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
か、全編をいくつの場面に分割すべきか、一つ一つの場面にいかなる造型的視覚的素材を
用ゆべきかを考えなければならない。すなわち物語を「モンタージュ画像」の言葉に翻訳....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
包み、頸囲も密に巻き、手足に至る迄少しも隙無き様に働き着用の服類を用意して此れを
用ゆる事と。丁寧に教えくれたるも、予は如何にも我慢をして小虫を忍ぶべしと強情を主....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
悪く感じた。この言葉は未荘の田舎者はかつて使ったことがなく、専らお役所のお歴々が
用ゆるもので印象が殊の外深く、彼の「女」という思想など、急にどこへか吹っ飛んでし....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
其人を待って始めて、現わるるもので、記述も議論も出来ないのが当前である、茶の湯に
用ゆる建築露路木石器具態度等総てそれ自身の総てが趣味である、配合調和変化等悉く趣....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
類を帯と腰との間を、吊す紐の端に取りつけたものです。『装剣奇賞』に、「佩垂の墜に
用ゆ」とあります。 形彫根附といわれるのは、人物動物などを形のままに彫刻したも....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
て、ハイカラーといふに就て一場の演説を試み、世間多くは、ハイカラーを嘲笑の意味に
用ゆれども、決して左には非ず。ハイカラーは文明的にして、其人物の清く高きを顕はす....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
はとても考え及ばないものである。 椿岳の泥画というは絵馬や一文人形を彩色するに
用ゆる下等絵具の紅殻、黄土、丹、群青、胡粉、緑青等に少量の墨を交ぜて描いた画であ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
利支丹伴天連の法によって、死人でも生き返らす力を持っている。その力を反対の方向に
用ゆると、弘法大師以上の呪いの力になる。安治川の殺されたのは、市長が呪い殺したも....