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用を足す
「用を足す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用を足すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、半七老人は説明してくれた。「むかしの番太郎というのは、まあ早く云えば町内の雑
用を足す人間で、毎日の役目は拍子木を打って時を知らせてあるくんです。番太郎の家は....
「地獄街道」より 著者:海野十三
―と考えると、頭に浮かんでくるのは、その直ぐ先の川っぷちだ。その川っぷちへ行って
用を足す。ところがその辺に桜ン坊という例のストリート・ガールが網を張っているのだ....
「貧を記す」より 著者:堺利彦
金無しというのみ。 原稿紙の裏 このごろ紙なし、古き原稿紙の裏を用いて
用を足すなり。車には乗らぬことと決めたれば、歩くもなかなか風流なるここちす。一袋....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、銀子も戸惑いした猫のように、こそこそ帰ってしまった。それに湯殿の傍にある便所で
用を足すと、手洗のところに自分の紋と芸名を染め出した手拭が、手拭掛けにかけてあり....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
読売新聞の結婚談は大※である)、神経痛で、腰が痛むから、尿瓶《しびん》を置いて、
用を足す位で、勝手へ行って、パンを焼く気にもなれない。 明日の起床、午後二時、....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
をこの境地に安住している人はある。しかし寝坊をして出勤時間に遅れないように急いで
用を足す習慣のものには、これもまた瞑想に適した環境ではない。 残る一つの「鞍上....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
は、すこし気が楽になった。そのうち彼は往来を檻の中の猿のようにジロジロ眺めながら
用を足すまでになった。 通行人の新聞面を見ていると、いよいよ彼ウルランド氏の生....
「怪塔王」より 著者:海野十三
有名な電話機があります。博士と面会することはなかなかむずかしく、まずこの電話機で
用を足すよりしかたがないと言われているんです。 塩田大尉は一彦少年に目くばせし....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
交替時間は十二時であった。だから今から四時間を、艇長室にいて、艇長の身のまわりの
用を足すのであった。 風間は、艇長室の扉の把手に手をかけたが、どうしたわけか、....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
育乃至啓蒙の目的を有つものと考える限り、一切の講演はラジオという手段でその要点は
用を足すことが出来る。講演者の顔や姿を見たいという場合はこの際問題外で、それは講....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
他愛のない位のものであった。竜吐水の水はやっと大屋根に届く位、それも直接|消火の
用を足すというよりは、屋根に登って働いている仕事師の身体を濡らすに用いた位のもの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
聞社)で沼南が、何かの話のついでに僕はマダ抱え俥を置いた事がない、イツデモ辻俥で
用を足すというンのだ。沼南の金紋|護謨輪の抱え俥が社の前にチャンと待ってるんだか....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
る今日の首尾をも、口には出して尋ね得ぬ女房は胸を痛めつつ、その一本は杉箸で辛くも
用を足す火箸に挾んで添える消炭の、あわれ甲斐なき火力を頼り土瓶の茶をば温むるとこ....
「澪標」より 著者:外村繁
切られているに過ぎないものが多かった。その上、京の女は後向きになって、立ったまま
用を足すので、その音はひどく庶民的な音を立てる。 私の書斎の窓下からもその音は....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
るだけの力がなく、既にある農村に寄生して、その村はずれに住ましてもろうて、村人の
用を足すという場合もありましょう。そういうものもまたどうしても世間から賤まれる。....