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用向き
「用向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
と余り変りのない事を信じて下さい。そうですか? では出来るだけ手短かに、わたしの
用向きを述べる事にしましょう。わたしはある男の魂のために、「みさ」の御祈りを願い....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たち友人にも見当のつけようがありませんでした。
「ところがその中に私はある官辺の
用向きで、しばらく韓国《かんこく》京城《けいじょう》へ赴任《ふにん》する事になり....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
」
女はちょいと云い澱《よど》んだ後《のち》、今度は朗読でもするようにすらすら
用向きを話し出した。新之丞は今年十五歳になる。それが今年《ことし》の春頃から、何....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ですから僕になんぞ会っている暇がないのも、重々無理はないんです。おまけに僕の行く
用向きと云うのが、あの精養軒《せいようけん》の音楽会の切符の御金を貰いに行くんで....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
濃いハヴァナの煙を吐いた。それからやっと大儀《たいぎ》そうに、肝腎《かんじん》の
用向きを話し始めた。
「この壁にある画《え》だね、これはお前が懸け換えたのかい?....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
店へ、電話もまさかかけられないから、あなたに言伝《ことづ》てを頼みたい――と云う
用向きだったそうです。逢いたいのは、こちらも同じ思いですから、新蔵はほとんど送話....
「星座」より 著者:有島武郎
なのだ。清逸はそれをまざまざと感ずることができた。そればかりではない。今日の父は
用向きがまったく失敗に終ったこと、父が侮蔑《ぶべつ》だと思いこみそうなことを先方....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
さてそんなことで、主人も私も東海道のことはすっかり忘れ果て、二人ともめいめいの
用向きに没頭して、名古屋での仕事もほぼ片付いた晩に私たちはホテルの部屋で番茶を取....
「河明り」より 著者:岡本かの子
した。あの何かご用――」 そして私がちょっと河岸の洋館の方へ首を振り向けてから
用向きを話そうとする、その間に私の洋傘を持ち仕事鞄を提げている、いくらか旅仕度に....
「海底都市」より 著者:海野十三
。 断崖の下は、かなりひろく平《たい》らにならされていて、芸術的ではないが、実
用向きの幅《はば》のひろいセメント道路が出来ていた。仕事の早いのには全くおどろか....
「地球要塞」より 著者:海野十三
りのところで、とつぜん鬼塚元帥からの招電《しょうでん》に接したのであった。元帥の
用向きは、一体なんであろうか。 それは、尋常一様《じんじょういちよう》のことで....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のある、ずッしりしたお堅いものは、昔からの藤沢に限りますので、おねだんも安し、徳
用向きゆえ、御大家の買物はまた別で、」 と姥は糸を操るような話しぶり。心のどか....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だ、しかも八月極暑よ。去んぬる年、一葉女史を、福山町の魔窟に訪ねたと同じ雑誌社の
用向きで、中洲の住居を音信れた事がある。府会議員の邸と聞いたが、場処柄だろう、四....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
って言いました。 「どうだ、茶屋というものは礼儀正しいものではないか」 主人が
用向きを訊いてみると格別のことも無い様子、話の具合では、どうやら茶屋の遊びという....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
練り、下絵を描き、はじめて筆をとるのですから、時日もかかります。また、私はどんな
用向きの画でも、現在の自分の力を精一杯尽くして描かなくては、承知できない性ですの....