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「用材〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

用材の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
麗なる国有林は、大林区署の収入を多くする考えからか、あるいは他に理由があるのか、用材の伐り出しに着手せられた、現今は知らぬが、私がかつて聞いたところでは、明科《....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その中から個性を、即ち愛を捜し出すということは極めて困難なことだ。個性は無意味な用材の為めに遺憾なく押しひしがれて、おまけに用材との有機的な関係から危く断たれよ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
た方の壁ぎわは、少し低い板の間になっておやじの仕事場らしい。下駄の出来かけ、桐の用材などがうっちゃり放しになっている。八畳の奥は障子なしにすぐに居間であって、そ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
華蛋粉の外交員の名刺も這入っていた。勿論、燐火の注文を取って来た、ためしもなく、用材の買い出しに行ったこともなかった。 工場の出入口まで来ると彼は、そこで煙と....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
き出した。尾張藩の勘定奉行、普請役|御目付、錦織の奉行、いずれも江戸城本丸の建築用材を見分のためとあって、この森林地帯へ入り込んで来る。美濃地方が風雨のために延....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
えるのをさす。それを御免荷物という。そのうちの三千駄は檜物御手形ととなえて人民の用材に与え、残る三千駄は御切替えととなえて、この分は追い追いと金に替えて与えた。....
八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
之進の詞を駁した。親信は父内蔵助親直の後を継いで佐川を領していたが、大仏殿建立の用材を献上した時、元親の命を受けて仁淀川の磧で、その材木の監督をしていたところに....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
どもの船だけではないことに気がつきました。上の方にも下の方にも、船の破片や、建築用材の大きな塊や、樹木の幹や、そのほか家具の砕片や、こわれた箱や、樽や、桶板など....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
めた。その難破船はよほど長いあいだそこにあるものらしかった。というのは、ボートの用材らしいということがやっとわかるほどだったから。 さて、ジュピターがその羊皮....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
帰るという有様だった。 でも人間の一心は恐ろしいもので、かなり豊富な畳建具の代用材料が集まった。そのときはもう日がすっかり傾いて、あたりはだんだん暗くなってい....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
あった。 それは屋根の上に飾られてあった。殆ど一坪を要する木彫の大亀であった。用材は楠である。それは地車の唐獅子の如く、眼をむいて波の上にどっしり坐り、口を開....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
の持ち山なのである。 彼の県内にも戦災都市があり、冬は寒い国柄であるから、建築用材、木炭、薪、需要は大いにある。けれどもこんな山奥からでは運賃に食われるから、....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
、扱えないという品物があっちゃア名折れだ。実はな、オレが商用で箱根へくるのは建築用材の買いつけだ。すでに一年半にわたって用材を伐りだしとる。進駐軍関係の用材であ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、決してそのようなものではなくて、一種の下賤の歓楽境なのであった。水戸様の建築の用材の石を、積み重ねておく置き地があったが、空地は凄いほどにも広かった。で全然必....
扉は語らず」より 著者:小舟勝二
した結論だ。彼が墜ちたのは二本の丸太の衝撃を避けようと試みたことにある。何故装飾用材は自然的に倒れたのであるか? 彼の立て方に何らかの不注意があったのだ。若い未....