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「用足し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

用足しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
でございました。確か、ある花曇りの日の昼中《ひるなか》だったかと存じますが、何か用足しに出ました帰りに、神泉苑《しんせんえん》の外を通りかかりますと、あすこの築....
桜桃」より 著者:太宰治
しかし、黙した。 ああ、誰かひとり、雇ってくれたらいい。母が末の子を背負って、用足しに外に出かけると、父はあとの二人の子の世話を見なければならぬ。そうして、来....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っしだって不思議に思やしねえんだがね。実あきょう池《いけ》ノ端《はた》にちょっと用足しがあって、いまさっき行ったんですよ。するてえと、そのかえり道に切り通しを上....
お菓子の大舞踏会」より 著者:海若藍平
もお母様も懲《こら》しめのためにわざと御飯を片づけてしまって、お父様はどこかへ御用足しにお出かけになり、お母さんも一寸買物にお出かけになりました。 あとにたっ....
」より 著者:岡本かの子
この界隈に住んでいる暇のある連中は散髪のついでに寄って行くし、遠くからこの附近へ用足しのあるものは、その用の前後に寄る。季節によって違うが、日が長くなると午後の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
うろうろするのであった。 もっとも悪い時は寝ていたものであるが、多少いい時には用足し位に出あるいたものだ。 途中でふと停滞が始まると、私は直ぐタクシーを呼ん....
入梅」より 著者:久坂葉子
女自身嫌でないらしく嬉しそうに荷物をまとめたりしていた。作衛はその時、丁度遠方へ用足しに出ていた。というのは、私の友人で京都に住む人が、私の製作の材料に南蛮絵ざ....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
役にたちたいものだ」 と鳩は思いました。 しかして鳩は、この奥さんがこれから用足しに行く「日の村」へと飛んで行きました。 そのうちに午後になりましたから、....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
も働かせれば、どんないい子でも機嫌よく「はいはい」といえるものではない。それで、用足しに行った時が僅かに息をする時だから、三十分のところに二時間かかるのは当り前....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
しを雇うつもりはないかと尋ねた。すると被告は自分を雇ったのである。自分はお情に小用足しを使ってくれと頼んだのではない。――そういうことは思いもよらぬことだ。まも....
山の秋」より 著者:高村光太郎
て、農家の営みの大半がまず無事に終ったなという大安心を感じさせる。わたくしは町へ用足しに出て帰る途中など、この稲穂を見るのがたのしかった。穂にも大きな粒や小さな....
地上」より 著者:島田清次郎
」 「わたしだって知っているのよ」 米子は少し不興らしげだった。(彼女はいつも用足しに出かけるとき、街路で球投げをしてにこ/\笑っている平一郎をよく憶えていた....
深川女房」より 著者:小栗風葉
りいるが……」 「なあにね、今日は不漁で店が閑だから、こんな時でなけりゃゆっくり用足しにも出られないって」 「へ! 何の用足しだか知れたものじゃねえ、こう三公、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
く、高麗結びを……仕方で見せて、 「ちょいと、こういう風でね。」 かくて酒肴の用足しから帰って来た女房は、その手巾を片襷に、愛吉が背後へ廻って、互交に睦じく語....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
ることが少い。それに四谷でも新宿附近でも、まだ何となく新開地らしい気分が取れず、用足し場又は通り抜けという感じも多い、又電車や自動車などの往来が頻繁だからという....