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田園
「田園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田園の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
るかも知れません。けれども婆《ばあ》さんの話したままを書けば、半之丞は(作者註。
田園的《でんえんてき》嫉妬《しっと》の表白としてさもあらんとは思わるれども、この....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
を計画するにあらず、鋤《すき》と鍬《くわ》とをもって残る領土の曠漠と闘い、これを
田園と化して敵に奪われしものを補わんとしました。まことにクリスチャンらしき計画で....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
雲落日の山、千古斧入らぬ蓊鬱《おううつ》の大森林、広漠《こうばく》としてロシアの
田園を偲《しの》ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未....
「親子」より 著者:有島武郎
ように内儀さんが出て来て、忙しくぐるりの雨戸を開け放った。新鮮な朝の空気と共に、
田園に特有な生き生きとした匂いが部屋じゅうにみなぎった。父は捨てどころに困じて口....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
強いて言うならば――私の中にある。凡ての報償は私の中にある。 例えばここに或る
田園がある。その中には田疇と、山林と、道路と、家屋とが散在して、人々は各※その或....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
るように見える。省作はもうただただ愉快である。 東京の物の本など書く人たちは、
田園生活とかなんとかいうて、田舎はただのんきで人々すこぶる悠長に生活しているよう....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
た、この頃の天気続き、毎日|長閑な日和である。森をもって分つ村々、色をもって分つ
田園、何もかもほんのり立ち渡る霞につつまれて、ことごとく春という一つの感じに統一....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
の原を照り返しうるおいのある空気に一種の色ある明るみが立った。この一種の明るみが
田園村落をいっそう詩化している。大きく畝をなして西より東へ走った、成東の岡の繁り....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
の詩情は最も世に云う世紀末の詩情に近きが如し。繊婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ。「
田園の憂欝」の如き、「お絹とその兄弟」の如き、皆然らざるはあらず。これを称して当....
「暗号数字」より 著者:海野十三
もはっきりさせようがなかった。帆村はノートを閉じて、車窓の向うにぐんぐん流れゆく
田園風景に目をやった。畑はどこも青々としていて、平和そのもののように見えるのを感....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かれても行かないしをもうけた。これでいかに自分の力を発見に集中したかが窺われる。
田園生活や、文学美術の事にも時間を費さない。鳥や獣や花を眺めるのは好きだったが、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
紅や白に絢爛と着飾った美しい乙女の群ではなく、秋の盛りの食卓にならんだ純オランダ
田園風の大ご馳走であった。さまざまな、ほとんど言いつくせないほどいろいろな菓子が....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
、既に文章たる価値の一半を失ったものと断言することを得。ただし野良調子を張上げて
田園がったり、お座敷へ出て失礼な裸踊りをするようなのは調子に合っても話が違う。で....
「西航日録」より 著者:井上円了
ェロール王の古戦場にして、当時戦勝記念に建立せし寺院、今なお存せり。 車行数里入
田園、処処春風草色喧、欲問一千年古跡、牧童教我杏花村。 (車で行くこと数里にして....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ー村に至り、ホテルローマーにて午餐を喫す。庭園に花樹多く、また菜畦連なり、日本の
田園に遊ぶの思いあり。料理は全くチリ式なり。帰路、鈴木某氏の農圃を一覧す。この日....