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田地
「田地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
でも大学を卒業したら、こちらへ出て来て、一しょになろうと云うんでね。それにゃ国の
田地《でんじ》や何かも整理しなけりゃならないから、今度はまあ親父《おやじ》の年忌....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
いた。足利《あしかが》の町へ縁付いている惣領娘《そうりょうむすめ》にもいくらかの
田地を分けてやった。檀那寺《だんなでら》へも
田地《でんぢ》の寄進《きしん》をした....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
隧道を通って、この湖水の水が沼津の方に落ちまして、二千石|乃至《ないし》三千石の
田地を灌漑しているということを聞きました。昨日ある友人に会うて、あの穴を掘った話....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
よさんという人があるんだもの、清公に聞かれちゃ悪いが、百俵付けがなんだい、深田に
田地が百俵付けあったってそれがなんだ。婿一人の小遣い銭にできやしまいし、おつねさ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
察していた。今のうちから覚悟して、ほかの商売をはじめる元手でも稼ぎためるか、廉い
田地でも買うことにするか、なんとかして老後の生計を考えておかなければなるまいと思....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
。水の手にも涼しいほど、しっとり花が濡れましたよ。 晃 世間の人には金が要ろう、
田地も要ろう、雨もなければなるまいが、我々二人|活きるには、百日照っても乾きはし....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
中|掻毟って、目が引釣り上る若旦那でね。おまけに、それが小春さんに、金子も、店も
田地までも打込んでね。一時は、三月ばかりも、家へ入れて、かみさんにしておいた事も....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
いぞ、と云うから、乳へ顔を押着けて息を殺して寝たっけが。 三晩ばかり続いたよ。
田地田畠持込で養子が来たんです。 その養子というのは、日にやけた色の赤黒い、巌....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、三年と、段々店が寂れまして、家も蔵も旧のようではなくなりました。一時は買込んだ
田地なども売物に出たとかいう評判でございました。 そうこういたします内に、さよ....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
。寛(総生)は寛でさまざまなもの、例えば秘伝の類、芸妓になる心得だとか地獄を買う
田地だとかいうようなものを書いて一しきりは流行ったものである。 読物はこの頃に....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
へ無禄移住をした。平生から用心のいい人で、多少の蓄財もあったのを幸いに、幾らかの
田地を買って帰農したが、後には茶を作るようにもなって、士族の商法がすこぶる成功し....
「瘤」より 著者:犬田卯
そしたら見ろっちだから、理事様らの身代百あわせたって足りやしねえから……組合員の
田地田畑根こそぎ浚っても、まだまだ足りねえから……」 「どうしてまたそんなことに....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
姿はしていても、いつも髪だけはきれいに撫でつけていた。 虚脱人 彼の
田地は「茅山」――草葺屋根の材料にする茅刈り場――そのもののごとく草|蓬々であっ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
中の一部分なり。 寺院の収入は、国教宗にては左の諸目を主とす。 (一)国教税(
田地を有するものに課して、その耕作および牧畜より収入せるもののいくぶんを寺院に上....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
い込んでいた。だがいいじいさんだが、気の小さい父は中学へ三十銭の月謝を出すより、
田地の一反でもほしい性格だった。ちょっとやけ気分になっていたころ、私が全く予期し....