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田畠
「田畠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田畠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
拵えたものだ、人間が有ればこそ沼ア埋めたり山ア掘崩したり、河へ橋を架けたり、田地
田畠を開墾するから、五※も実って、貴方様も私も命い継いで、物を喰って生きていられ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
混って、鋭いヨシキリの声も聞える。 火山の麓にある大傾斜を耕して作ったこの辺の
田畠はすべて石垣によって支えられる。その石垣は今は雑草の葉で飾られる時である。石....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に自分の道を踏み出したのは、それよりさらに四十年も以前のことにあたる。 馬籠は
田畠の間にすら大きくあらわれた石塊を見るような地方で、古くから生活も容易でないと....
「家」より 著者:島崎藤村
と直ぐ眼前にある桑畠を指して見せた。 連の男は迎えに来た。村を横に切れて、
田畠の間の細い道を小山の方へ登ると、小泉の先祖が建立したという古い寺がある。復た....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、石が抜け、土が崩れ、足許も定まらず、よろけながら攀じ上った。見る見る、目の下の
田畠が小さくなり遠くなるに従うて、波の色が蒼う、ひたひたと足許に近づくのは、海を....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
…爺が死んだら、誰も鐘を鳴らすものがない。一度でも忘れると、掌をめぐらさず、田地
田畠、陸は水になる、沼になる、淵になる。幾万、何千の人の生命――それを思うと死ぬ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、と云うから、乳へ顔を押着けて息を殺して寝たっけが。 三晩ばかり続いたよ。田地
田畠持込で養子が来たんです。 その養子というのは、日にやけた色の赤黒い、巌乗づ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
精励してするような為事は、あて人の家では、刀自等の受け持ちであった。若人たちも、
田畠に出ぬと言うばかりで、家の中での為事は、まだ見参をせずにいた田舎暮しの時分と....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
世間にはこんな事を知って居る人は一人もなくその後は家は栄えて沢山の牛も一人で持ち
田畠も求めそれ綿の花盛、そら米の秋と思うがままの月日を重ねて小吟も十四になって美....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
でも三百石の田地持で、山もえらく持って居りやんしたが、母さまの心得違いから山林|
田畠は人手に渡り、家は焼けてしまって無えのですから、国へ帰り家を建て、田地を買い....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
有之候。尚之を別に調査したるものを見るに、拾五間御役家と称するは、多少に係らず皆
田畠を所有するもの、即ち百姓なり。間脇といふ肩書を有するものは
田畠なきものばかり....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
は只た一人の忰が斯ような悪人に生れ附いたのも前世の約束事だろうと思い諦め、所持の
田畠を残らず人に譲り、恭太郎を連れて向島へ参りまして、白髭の蟠竜軒の美惠比丘尼の....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
いるうちにすっかり消えてしまった。もう太陽は高いであろうに何時の間に曇ったのか、
田畠も農家もどんよりとして薄い鉛色の気体に包まれている。と、傍らにうず高く積み上....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
すなわち兵庫の津からは、毎年盆に二貫文、暮に五貫文の銭を宿の者に与える。田地持は
田畠大小にかかわらず稲一把ずつを与える。湯屋、風呂屋、傾城屋は、特別に人の出入り....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
数の落伍者を作ったかは、今さら言うまでもありますまい。戦場となった所では、村落や
田畠が無残にも荒らされる。住民は人夫に徴発されたり、その貯えを掠奪されたり、側杖....