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田舎者
「田舎者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田舎者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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こう云う親子の上半身《じょうはんしん》。父親はいかにも
田舎者《いなかもの》らしい、無精髭《ぶしょうひげ》を伸ばした男。少年は可愛《かわ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
やがて女房に向いながら、
「お前は何と云う莫迦《ばか》な事を云うのだ? もしその
田舎者《いなかもの》が何年いても、一向《いっこう》仙術を教えてくれぬなぞと、不平....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
した。「電車から落っこってね、鞍掛橋の所で飛び降りをしそくなったもんだから。」「
田舎者《いなかもの》じゃあるまいし、――気が利かないにも、ほどがあるぜ。だが何だ....
「星座」より 著者:有島武郎
生やしたような建物だった。俺もやはり英語に出喰わすと、国のおやじにひけを取らない
田舎者だと思って感心した。
『ダントン小伝』を寄稿したのは俺だといって自分を紹介....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
には珍らしくはないよ」 「そうでないさ、東京者にこの趣味なんぞが解るもんか」 「
田舎者にだって、君が感じてる様な趣味は解らしない。何にしろ君そんなによくば沢山や....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
な。 懐中からまた手拭を出して、夫人に渡して、 「姉さん冠りと云うのになさい、
田舎者がするように。」 「どうせ
田舎者なんですもの。」 と打傾いて、髷にちょっ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
る通りです。この辺の、のでん賭博というのは、数人寄って賽を転がしている鼻ッ張が、
田舎者を釣りよせては巻き上げるのですが、賭博場の景物には、皆春画を並べてある。田....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
りまして、座敷も綺麗、お肴も新らしい、立派な本場の温泉となりまして、私はかような
田舎者で存じませぬが、何しろ江戸の日本橋ではお医者様でも有馬の湯でもと云うた処を....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
れるの。」 「ま、しようがないわね。」 「だって、酷い奴だというよ。」 「たかが
田舎者さ。」 「そして、どうして? 姉さん。」 「狸を御覧よ、ほほ、ほほほ。」 ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
おかしなことだ、と彼は思っている。ところが未荘の人はまったくの世間見ずで笑うべき
田舎者だ。彼等は城内の煮魚さえ見たことがない。 阿Qは「以前は豪勢なもん」で見....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
に結って、横なでの痕のある皸だらけの両|頬を気持の悪い程赤く火照らせた、如何にも
田舎者らしい娘だった。しかも垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻がだらりと垂れ下った膝の上....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
久米は官能の鋭敏な
田舎者です。 書くものばかりじゃありません。実生活上の趣味でも
田舎者らしい所は....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
喙み尽した。たいていこれはエロシンコ君の勧告の結果だろうと思われる。 それから
田舎者はしょっちゅうやって来て、一遍に何羽となく買ってもらう。というのは鶏は食い....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
会があり、雄弁大会が催された。私はおだてられて出たが、三宅島から上京したばかりの
田舎者であるから、すっかり上がってしまった。会場は化学実験の階段教室であるから聴....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
」などと話しはじめた。長命寺の桜餅を糞臭いとは――僕は未だに生意気にもこの二人を
田舎者めと軽蔑したことを覚えている。長命寺にも震災以来一度も足を入れたことはない....