甲斐性[語句情報] »
甲斐性
「甲斐性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甲斐性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ます。……どうか悪くお取りになりませんようにね……どうもわたしはこんなでいながら
甲斐性《かいしょう》がございませんで……」
そういいながら女将《おかみ》は口を....
「星座」より 著者:有島武郎
か何んとか、つべこべいいくさる。……」
こういう不平をきっかけに父は母が少しも
甲斐性のないことや、純次がますます物わかりが悪くなって、親を睨《にら》めかえすし....
「放浪」より 著者:織田作之助
らしい恰好をしていた。云うも甲斐ない意見だったが、やはり、私に頼らんとやって行く
甲斐性を出してくれへんのかとくどくど意見し、七円めぐんでくれた。懐からバットの箱....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
たばっかりに、自分の苦労も水の泡《あわ》だと泣いた。が、何かにつけて蝶子は自分の
甲斐性の上にどっかり腰を据えると、柳吉はわが身に
甲斐性がないだけに、その点がほと....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
二階の奥へ通った。 おやじというのは、お袋とは違って、人のよさそうな、その代り
甲斐性のなさそうな、いつもふところ手をして遊んでいればいいというような手合いらし....
「わが町」より 著者:織田作之助
子も、みな優等になってんのに、この子はなんにも褒美もろて来よれへんねん。こんな不
甲斐性者あるやろか」 「そない皆褒美もろたら、だいいち学校の会計くるうがな。だい....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
いついて出たのもえらいが、つけ果せたとは、ハテ恐ろしい。女にしては恐ろしいほどの
甲斐性者。シテ……」 「イエ何、御方様の御指図でござりましたので、……私はただ私....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
訳のしようがないよ。つい、手前勝手で、お前さんを私が処へ引張っておいて、こんなに
甲斐性がないんだものね。あの時お雪さんの方へ行っておいでなら、またこんなことにな....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
端折りの空脛に、草履ばきで帽は冠らず。 昨日は折目も正しかったが、露にしおれて
甲斐性が無さそう、高い処で投首して、太く草臥れた状が見えた。恐らく驚破といって跳....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
なっちゃ私は半日だってやり切れないわ。大の男が五人も寄ってる癖に全くあなたがたは
甲斐性なしだわ。 戸部 畜生……出て行け、今出て行け。 とも子 だからよけいな....
「大力物語」より 著者:菊池寛
とである。王城の地はひろいからどんな大力の人がいるかもしれない。あなたも、至極の
甲斐性なしと云うわけではないが、そんな大事の場所へ行ける器量ではない。こうしてお....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
がらぼんやりときいているのだが、それがつつましいというより、むしろがしんたれ(不
甲斐性者)に見えた。それもみな未だかたづいていないためだと、おたかはいよいよ焦っ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
どは、はじめ、この「談合とり」で金を作っていたのだ。権右衛門の様に銅鉄売買をする
甲斐性はなし、たゞ兄のおかげで入札名儀だけを貰って体裁だけの空入札をし、談合の口....
「放浪」より 著者:織田作之助
らしい恰好をしていた。言うも甲斐ない意見だったが、やはり、私に頼らんとやって行く
甲斐性を出してくれへんのかとくど/\意見し、七円恵んでくれた。懐からバットの箱を....
「わが町」より 著者:織田作之助
は、君枝にはうなずけたが、しかし、その姿を見れば、やはりちくちく胸が痛み、「私に
甲斐性がないさかい、お祖父ちゃんも働かんならんのや」と、この想いの方が強く来て、....